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一般向けの価格設定ではない ![]()
1995年にテレビで初めてこの番組が放送された時にはたいへん感銘を受けて、毎回の放送を楽しみにしていました。
NHKの底力を見せつけられたような気がしたものです。
それから10数年経ち、その間に見た他の多くの映像番組はあっという間に忘れてしまいましたが、この番組は今でも鮮烈な記憶があります。
そんなわけでこのDVDセットを買いたいと思ったのですが、値段を見て愕然としました。
他の多くのレヴュアーの方がすでに述べているように、この値段は高すぎます。
もちろん、これだけの番組を作りだすには、なかなか手に入らないような映像を探してきて、その使用権利を交渉し、それを巧みに編集するというたいへんな手間(そしてお金)がかかるのだから、少しくらい高くても仕方ないという言い分はあると思いますが、それを考慮しても高すぎます。
これでは、このDVDセットを購入できるのは、公共の教育機関、もしくは教育や映像作成に携わる人たち、そうでなければ高い収入層の人たちにほとんど限られてしまい、こういう良質な番組を一番視るべきである一般人にはなかなか手が届かないものになってしまいます。
NHKが利潤を追求する企業ではなく、一般人の啓蒙を目的とした公共の放送機関であるのならば、こういう番組を誰もが手軽に見ることができるような価格設定にすべきなのはいうまでもないことでしょう。
それともこのDVDはNHKではなく、その子会社のNHKエンタープライズ(NHK職員の天下り先ともいわれる)が発売しているから、そういうことは考慮する必要はないとでも考えているのでしょうか?
大学生が買える値段にして ![]()
20世紀の歴史を学習するのに、映像がなければ始まらないのです。若い人たちに戦争と平和の歴史を知ってもらうためには、映像がなければ始まらないのです。しかし、この値段では、ふつうの大学生が購入することは、まずできません。
図書館で見なさいと指導したり、授業のときに断片的に見せたりすることはできます。しかし、本でもそうですが、結局、自分で金をはらって買うからこそ大事に読み、何度も見るものなんです。
4月に新学期が始まるまでに、NHKは半額にしてください。
「映像」の持つ力 ![]()
価格に関するレビューが多いのですが、その商品がそれだけの対価を払うに値するか否か、という観点からすれば、私にとっては確実にその価値はありました。映像や音楽の持つ価値、創造した人たちへの敬意と正当な対価、という点については、考え方は人それぞれでしょうが、もう少し考えるべきかと思います(過去の名画が非常に安く入手できるのは嬉しいことですが、それが当たり前、という考え方には個人的には賛同できかねます)。
さて、この作品では、これまで繰り返し利用されてきた映像(例えば著名な政治家の映像や、核実験など)ももちろん多く登場しますが、かなりの初見の映像が登場します。
第一次世界大戦について、私を含め日本人の関心は低いと思うのですが、「兵士を消耗品とし、後方の一般市民まで含めて殺戮・破壊する近代戦の形の完成」という点で、やはり第二次世界大戦と並び重要な意味を持つものであることを認識させられます。
他にも、第二次大戦後のアジアの独立、世紀を通じ絶え間なく生じてしまった難民など、世界史の中でともすれば簡単な記述で済まされてしまいがちな事実が、非常に重要なことであることが理解されます。
そして、それらの事実に高い説得力を与えているのが「映像」です。
「第一次世界大戦の全犠牲者2000万人」「パレスチナ難民70万人」と文字の記述を見ても、その数字の重さ、意味をリアリティを持って想像するのは、なかなか困難です。が、例えば迫り来る世界大戦の惨禍を知らずに親に抱かれる赤児の笑顔、カメラに向かい呪詛の視線を投げかける難民の少年、戦争により顔面に悲惨な傷痕を持つ兵士・・・それらの映像からは、「ひとりの人間の生の重み」がダイレクトに伝わってきます。
その「ひとりひとり」の命、幸福が、何十万、何百万、何千万と失われる・・・そのことの持つ意味は、映像を伴うことにより初めて伝わると思います。
また、映像は時に使用者の意向に沿うよう恣意的に使われるリスクを帯びていますが、このシリーズにおいては、近過去を扱っているせいもあるでしょうが、抑制の効いた中立的な取り扱いをしています。ナレーションも落ち着いたもので、見る者が映像を見ながら様々に思いを巡らすことのできるつくりです。
歴史を振り返るとき、眥決して深刻ぶるのは嫌いですが、ここに綴られた映像は、そんなスタンスを許さない、事実が持つ重さを圧倒的にこちらに伝えてきます。
すばらしい!が、高! ![]()
内容はすばらしい。人が同じ過ちを繰り返さないためのバイブルになるであろうし、歴史の再確認という意味でも、価値があると思う。だた、他のレビューにもあるように、値段が高額すぎる!多くの人に見てもらうという意味では、この値段は無理な価格である。事実を写しているだけなのだから、タダ同然の価格で販売すべきでる。NHKの放送する映像は好きであるが、NHK自体は嫌いである。
NHKスペシャル ドキュメント太平洋戦争 BOX [DVD] |
NHK特集 激動の記録 DVD BOX |
パリは燃えているか ― NHKスペシャル「映像の世紀」オリジナル・サウンドトラック完全版 |
NHKスペシャル「映像の世紀」オリジナル・サウンドトラック |
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国内配送無料 発売日: 2005-11-25 おすすめ度: もっと詳しい情報: NHKスペシャル 映像の世紀 第5集 世界は地獄を見た [DVD] NHKスペシャル 映像の世紀 第5集 世界は地獄を見た [DVD] @Amazon NHKスペシャル 映像の世紀 第5集 世界は地獄を見た [DVD] @aStore NHKスペシャル 映像の世紀 第5集 世界は地獄を見た [DVD] @Rakuten |
NHKよ、聞け、わだつみの声!! ![]()
戦争の悲劇が忘れられつつある今日、あらためてこのシリーズは、日本人が後世まで受け継ぎ、永久に学び続けなければいけない人類の遺産ともいえる映像である。これはNHKが過去制作した最も教育的価値が高く、最も国民が見て啓発されるべき映像である。
しかし、このDVD商品はあまりに値段設定が高く問題があるため、一筆したためた次第である。
全てを失った戦争の惨禍から立ち上がり、今日の日本を作った日本人の苦労と努力を鑑みて敬意を表し、NHKは「映像の世紀」を毎年繰り返し放送するだけでなく、DVDを一般の相場並みにできるだけ安く(BOXなら30000円以下で、単品なら4000円以下で)発売することは国営放送の義務であり、戦争の時代に若くして散っていった先人たちの姿を思う時、日本国民、いや、世界人類であれば誰でもこの商品がより廉価版で発売され一人でも多くの人々の手に渡ることを切望するであろう。
その時、映像の版権料が高い云々はかりそめにも国営放送関係者が語るべき問題ではないし、この映像が持つ社会的価値と責務を考えれば、『世界平和』という人間の崇高理想の視点で語られるべき問題であることは明白である。不祥事が続き変革が求められる昨今のNHKが利益無しで真っ先に取り組んで欲しい見直し事業の一つであり使命であると実感する。
私は日本に滞在する外国人を長年お世話しており、この番組のビデオを見せると皆さん感激してDVDを求めるのだが、あまりに高額のため買える人は皆無であった… 国際交流に貢献できる映像であり土産、ギフトである。これほど素晴らしい映像を友人、知人に勧めよう思っても、誰も買えない常識はずれの値段の高さに本当に悲しくなる。我々は国営NHKの映像を通じてさえも戦争や戦災で亡くなった先祖の姿を身近にDVDで弔うことができないのか…!
NHKのDVDはすべてにおいて高すぎる。通常の価格の2倍以上なので話にならない。「その時歴史は動いた」も同様に高額で、1話収録の1巻が45分で7000円以上するひどさである。
官僚体質のNHKに良心があることを信じて、国民の心を慰めてくれる事業展開を期待するものである。 苦労して制作された映像は120点。単なる一商品と見なされて発売された高額な商品は星は一つとした。
第二次世界大戦 ![]()
世界は地獄を見たというタイトルが印象的なこの巻は、タイトルとおりの映像、歴史が次々
と登場します。空襲、原爆、ホロコースト、戦闘における大敗、神風などまさに人々が軽く
次々と死んでいく様には、今のわずかな人命の犠牲でも大事になる世の中からすると、親や
祖父母の生きた少し前の時代にこんなことがあったなどと信じられないくらいでした。
そのほかでは、ナチスの躍進の前半戦、や戦局の形成が変化していったところなど、重要な
局面を映像とナレーションでよく的を絞って描いていて、歴史についてさほど詳しくない私
でも、戦争が進行していく様子がわかりすく描写されてました。
兵器のシーンも豊富だったほか、なかでも一番印象的だったのは、一人ひとりの市民や兵士
の手記で、戦争にまつわるさまざまな感情がよく伝わってくるよう選ばれてたと思います。
その歴史や、大局や政治的な動きといったマクロな部分と、一人ひとりの名もなきものたち
の声に的を絞った部分とがバランスよく描かれていたなと思います。
NHKスペシャル 映像の世紀 第4集 ヒトラーの野望 [DVD] |
NHKスペシャル 映像の世紀 第2集 大量殺戮の完成 [DVD] |
NHKスペシャル 映像の世紀 第6集 独立の旗の下に [DVD] |
NHKスペシャル 映像の世紀 第7集 勝者の世界分割 [DVD] |
NHKスペシャル 映像の世紀 第1集 20世紀の幕開け [DVD] |
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人間の真実 ![]()
衝撃的な内容だった、人間の正体を人間の真実を見事に暴いた映像だった。
実写映像の凄に震撼しました。
如何なる作り物の反戦映画(プライベートライアンや硫黄島からの手紙などは実写ではなく作り物)をもってしてもこの映像には敵わないだろう。
珠玉のドキュメンタリー作品 ![]()
科学の、人の力が、大量殺人兵器の完成として決着を見る。
一度は見た方がいい作品です。
このシリーズには有名な人物の演説や回想録などが多々あります。
ラストのチャーチルの言葉はあまりにも印象的。
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シリーズ中で最高のできばえ ![]()
ヒトラーが政権を奪取し、第二次世界大戦への道を開くまでに、「映像」がもった意味、そのインパクトには計り知れないものがある。
ヒトラーの巧みなプロパガンダと映像の利用なくして、第二次世界大戦前夜を語ることはできない。
この意味で、ヒトラーのプロパガンダの何たるかを余すことなく描いた「第4集 ヒトラーの野望」は、シリーズ中で最高の価値をもつ歴史資料でもある。第4集は、圧倒的な迫力をもって、1929年の世界恐慌から1939年のドイツのポーランド侵攻までの複雑な経緯を、わかりやすく描写している。
全巻を一括して購入できるならそれにこしたことはない「映像の世紀」。でも、どれか1巻まずお試しに・・・というのであれば、この第4集を強くお薦めする。
プロパガンダと公的事業 ![]()
ヒトラーの野望と銘打った題名ですが・・・
実際は大戦前夜における各国の国の建て直しとプロパガンダの特集回です。
ドイツだけではなく、ソ連の宣伝映像、不況に喘ぐアメリカ(なんと市民運動を弾圧する
マッカーサーの映像も!!)など、国内をいかに押さえ、あるべき国民にするための
涙ぐましい宣伝と経済立て直しの公的事業のお話です。
(ニューディールもアウトバーンも同じ目的で行なわれた公共事業です)
で、その公的事業の延長線上に自国を豊かにする戦争が存在している訳です。
他の国は戦争には手を出さなかったのにドイツは手を出してしまった。
何故か?・・・このDVDを視聴すればおぼろげにわかってくると思います。
見ぬふりをして独裁国家を暴走させた罪、今も昔も国内の建て直しには
公共事業が欠かせないこと。
緊縮財政では何も生まれないのだと実感した作品です。
それにしても不幸な状態の国家ほど敵を求める。
ナチスはユダヤ人を、欧米は共産主義者を、一国共産主義のソヴィエトはブルジョワを
身代わりの羊にした。
大恐慌時代と似通う今の時代はあの時代をトレスすることになるのか否か?
題名に違わずナチとヒトラーの映像がバンバン出てきます。
しかし同じ時代、他の国も似たような状態だったという着眼点が面白い作品でした。
ナチズムとは相対的価値観の絶対化である ![]()
国民の熱狂、つまり支持、付託なくしてナチ党の政権はなかったわけであり、付託なき限り即瓦解するものでした。当時の経済的富裕層ユダヤ人を、もちろんドイツ人との相対的存在としての人種的差別、地上からの民族の抹殺とユダヤ人の財産没収という手段で、ドイツ人が経済的に復活し、豊かになれるなら、ユダヤ人を抹殺しても構わないと思ったわけであり、ナチ党の思想が外向きに向いたものが戦争であり、中間が生存圏であり、内向きがアーリア民族優位論でした。全権委任法なるものは、国民と国会の(建前上の)付託そのものであり、定められたもの即、法律、法実証主義であり、ドイツ人と相対化されて捉えられたものが、戦勝国とユダヤ人であり、その相対化されたナチ党のドイツ人優位、ユダヤ人蔑視が、ナチ党、ヒトラーによって絶対化されたことにより、ナチズムというものが形成され、ドイツの悲劇がおこり、それは国民の熱狂という事実により、成立したものだと思います。
第二次世界大戦前夜 ![]()
この巻は第二次世界大戦前夜ともいうべき時代をヒトラー、ナチスのドイツを中心として描
いた巻です。
ヒトラーとナチスといえば、全体主義や、人種差別政策などがよく語られますが、この巻で
はそれだけでなく、ヒトラーの思想、演説の技法なども映像や資料を交えて語り、禁書、一
党独裁、人種差別政策といった政策を出したナチスが、いかに人々の心をとらえ、また奇跡
といわれたドイツの復興をささえ、第二次世界大戦にいたる躍進を支えたのか、いかに誰も
とめるものがいないほどになっていったかなどがわかりやすく描かれていると思います。
第一次世界大戦の悲劇を繰り返さないよう一国の領土を割譲してまでも、戦争をとめようと
した国際社会とそのぬかよろこび、それが成らず再び悲劇が繰り返されることになることに
なり、家族との別れをおしむ兵たちの悲しみにあふれた出陣のシーンのラスト周辺がとても
印象的でした。
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名作「映像の世紀」の中でも白眉の存在。 ![]()
他のレビュアーの方々もおっしゃるように、「映像の世紀」はドキュメンタリーとして最高の作品集だが、その中でも白眉といえるのが、この「第9集、ベトナムの衝撃」だろう。
兄に続いて、大統領の座を目前に暗殺されるロバート・ケネディ、海へ破棄される米軍のヘリコプター、デモでひとり「we shall over come」を歌う女性。
加古隆の「パリは燃えているか」をバックに、どのシーンを見ても涙が止まらん。
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20世紀は、映像を見ながら歴史を検証できる、画期的なDVD。 ![]()
1900年のパリ万博、ビクトリア女王の死、コンゴやインドの植民地の様子、日露戦争、清王朝、辛亥革命、第一次世界大戦に至るまで、貴重な映像で歴史を検証できる。特に、1巻では、20世紀初頭の出来事が中心で、サラエボ事件から第一次世界大戦に至るまでに注目したい。2巻では、帝国主義下のヨーロッパの国々や、サラエボ事件の真相や第一次世界大戦の戦士の日記など、貴重な内容である。また、機関銃の発明から、塹壕掘り、毒ガス、戦車など、戦争が変化していく様子が詳細に見ることができる。全巻を一度に手に入れるのは、大変なことですが、まず、1、2巻を買ってみてはどうでしょう。
ドキュメンタリーの最高峰 ![]()
一度は見た方がいいです。
20世紀初頭の世界の動向、そして雰囲気を感じ取ることの出来る珠玉の映像作品。
貴重な映像。そしてなじみ深い、誰もが知っている著名人の回想録などの朗読。
エンターテイメント作品にひけを取らない魅力がこのシリーズにはあります。
NHKスペシャル 映像の世紀 第2集 大量殺戮の完成 [DVD] |
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発売日: 2000-12-21 おすすめ度:
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リュミエール兄弟がシネマトグラフを発明し、人類が動く映像を記録するという術を得たのが19世紀末。20世紀はその幕開けとともに動く映像として歴史を記録することが可能になった最初の世紀となった。
映像というメディアが、やがて発達・浸透していくなかで歴史に大きくかかわり、世界を動かす程に巨大な存在となっていく過程を含め、「映像の世紀」と呼ぶにふさわしい20世紀の記録映像を世界30ヶ国以上、約200ヶ所の資料館から発掘・収集して構成された本シリーズ。
第3集では、1920年代は、戦争景気に沸くアメリカが、その富をもって国力を高め、以後の資本主義社会の基本スタイルを形成した時代をニューヨーク・マンハッタンを舞台に描いていく。(井上新八)
アメリカの繁栄と没落の記録 ![]()
リュミエール兄弟がシネマトグラフを発明し、人類が動く映像を記録するという術を得たのが19世紀末。テレビ放送開始まで、映像は映画によるものである。えいぞうによって映し出されたものは、人間の楽しい営みではなく、憎しみ、悲しみが多い。第一次世界大戦、ドイツの物価が1兆倍になったこと、ロシア革命、ヒトラーに代表されるヒトラーの台頭、第二次世界大戦、敗戦、戦後の復興、大恐慌などである。20世紀は戦争と革命の世紀であった。21世紀も混沌としていることを考えれば、歴史は繰り返すのかもしれない。私たちがつくり出す「21世紀映像の記録」は、後世の評価はどうなるであろうか。
虹色の輝き ![]()
1920年代から30年代にかけてのニューヨーク、マンハッタンは「虹色の輝き」に満ち溢れていた時代の象徴でもあり、かつ暗黒の世界恐慌が始まった「暗黒」を象徴する場所でもある。この時代の光から闇への転落はそのまま国際政治の光から闇への転落でもあった。第一次世界大戦と第二次世界大戦の戦間期の20年はまさに光と影に時代であった。この作品で語られているマンハッタンの光と影は、そのまま国際政治の光に満ちた理想主義の時代から現実へと目覚めていった過程でもあると思う。
金融、情報、科学、文化の発展は新しい価値観を世界にもたらした。人々は「古い」モラルから「解放」され「新しい」価値観に浸るという享楽的ムードに支配されていた時代だった。そして、その中心はマンハッタンであり暗黒の時代の明るさの源と言っても良かった。
しかし、いつの時代にも動きに対する反動というものはある。新しい価値観の創造とは、1917年のロシア革命によってもたらされた社会主義という新しい観念、新しい音楽、性の解放などである。これらの動きは、いつの時代にも起きていることではないだろうか。そして避けられない反動は必ずある。それが赤狩りであり、禁酒法であり、そして純アメリカニズムであったと思う。
国際政治を見てみれば、理想主義者W.ウィルソンの国際連盟という創造は彼の国の人間によって否定された。新しい協調の枠組みを話し合う場であるはずのヴェルサイユ講和会議には戦争の当事国であったドイツは出席を許されず、調印された条約はドイツに対し屈辱的な内容となった。国際連盟の高い理想を掲げるはずの会議は、戦勝国による怨念の果し場と化してしまったのである。新しい時代は始めからどこか狂いだす「時限爆弾」を抱えていたのだ。
この様に、国際政治においては初期段階から闇が見えていた。結局、戦争という悲劇を経験した後、人は希望を膨らますがために盲目となり理想に走りやすくなるということではないだろうか。しかし、現実に直面したときに同じ勢いを持って反動に変わって行く。それが、ドイツ、イタリア、その欧州諸国におけるファシズムの台頭である。
時代は、虹色の幻想から、覚めた現実へと動いていった。人々が抱いた幻想が、砂上の楼閣であったことに気付くまでにはそう時間もかからなかった。世界は破綻し、制御不可能となって戦争への道をひた走っていったのだ。
昭和の日本が、人々に悲劇をもたらしたという反動から、戦後日本は理想主義をひた走ってきた。しかし、理想主義にも限界がある。冷徹に国益を追求する外交官達がいる国家に囲まれも、なお理想を貫こうとすれば何時かは破綻し、それは民族に悲劇的な結果をもたらしかねない。アメリカは国際連合は外交の道具に過ぎないと明言した。我々も、このような現実を踏まえて現実的視点に立って国際政治、国家の安全保障を見直していかないと、やがて何時かは国家、国民を危機と悲劇に陥れる破壊のシステムに迷い込む危険がある。戦間期の国際政治、世界の動きは我々に大切な教訓を与えている。
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