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日本映画としてはめずらしく、男と女の性を真正面からとらえ、官能的な映像に結実させた1編。小池真理子の原作のテーマを損なうことなく、見事に映画化された。中学時代から正巳に好意を持っていた類子だが、正巳は親友の阿佐緒に想いを寄せていた。その後、図書館司書となった類子は、妻子ある男との肉体関係に溺れていたときに阿佐緒と再会。親子ほど年の離れた精神科医と結婚を決めた阿佐緒のパーティに招かれた類子は、そこで正巳とも会う。
時を経た親友3人の関係は、再会によって濃密になっていくのだが、正巳が性的不能であるという事実が、さらに関係をややこしくしていく。要所に鮮烈な性描写があり、なかでも、類子が不能の正巳と何とか結ばれようとするシーンは痛々しくもエロティック。しかし、映画全体に漂うのは、純愛のようなピュアな美しさだ。正巳が傾倒する三島由紀夫作品との関係など、文学的要素も多く、結末が、さまざまな想像をかき立てる。主演3人は、複雑な役を文字通り体当たりで演じきり、背景となる70~80年代のカルチャーが、どこか郷愁を誘う。(斉藤博昭)
原作を読むべし ![]()
小池真理子の同名の小説の映画化
原作を読んだものとしては、大変残念な気持ちになる。
R18指定にしている意味もよく分からない。
多様な愛の形があるのであれば、それを映像にするのも多様な形があっても良いとは思うが、原作の凄さがまったく感じられない。
激しい性描写だけが、愛の強度を示す訳ではないのではと思う。
原作者はどう見たのだろうか?
自分にいちばんぐっとくるキャストとロケーションを想像しているだけに、映像は分が悪い ![]()
レンタルサイトで面白そうと思って、まず本を読んでから、DVD観ました。
本は再読だったのですが、読み返そうという気持ちにさせてくれたので、まずは
面白そうな映画だと思わせてくれたことに敬意をささげようと・・・思います。
肝心の内容はというと、原作にある静謐で世俗から離れた雰囲気が足りない感が
ありあり。端的にいえば貧相です。いや、70年代なのだから、こっちが勝手に
想像しただけで、精神科医の屋敷のガーデンパーティーなんて、実際はあっちが
本当かもしれない。だからロケーションでなくて。
キャストにケチをつけよう。
正巳役の俳優、名前を見た時、あの人だよね・・・精神も肉体も美しい青年とは
言い難いような、だけどちょっと異国風の容貌なので、思っているよりも案外良かっ
たりすることに期待できるかと思ったのだけど、足りないでしょう。貧相でしょう。
いちばん違和感を感じたココが、やっぱり問題だったと思います。
ここで別の人の名前を挙げても、映画を観たあるいは原作を読んだ方が同じように
思うか分からないので難しいですが、職業が庭師ならもっとたくましい体つきでいい
と思うし(高校生までの彼は健やかに過ごしていたし)、他の方もおっしゃる尻の
タトゥーはメイクで消すべきだと思いました。だって正巳には無い!
阿佐緒役は、メインキャストの中で唯一テレビでよく見かける人なので、
70年代が舞台の映画でなく、テレビドラマのように感じてしまうのですが、それ
を差し引けば、原作ではもっと楚々とした美女・美少女を想像していたけれども、
小池真理子さんはこんな感じをイメージされていたのかも、とも思えました。
類子は、原作では、スタイルは良いが容貌はあまり華やかではない女性を想像
していたので、板谷由夏さんの美貌に違和感はありましたが、映画を観ていくうち
板谷由夏すげー、と思いました。激しい性描写と広告にあるので、ある程度は・・
と思っていたのですが、文章で読むとやっぱり文学だよ。映像で見るとやっぱり
性交だよ。セックスってこうすんのかー!と熱情を感じる、板谷さんの脱ぎっぷり、
交わりっぷり。ここ久しく日本の情念のドラマってないけど(五社英雄監督!)、
そういうのを演じられる若く美しい女優さんだと思いました。最近おらんやん、
そういう女優さん。すげー。
キャストの他に、ここを落とすとはなんたることっ、と思ったのが、終盤の
正巳が沖に泳いでいくシーンです。原作もここに魅かれた人が多いと思うのだけど。
最初は沖にゆきすぎて泳いでいるだけ、と思った類子が、危ないからあまり遠くへ
いかないでと呼びかけ、次に目を遣ると、さらに沖へ沖へと泳いでゆく正巳。
青い海と小さくなる正巳の姿に映る美しさと絶望感。これをこそが見たかったのに、
わたしが絶望感を感じました。ここを時間の尺をとって、美しく撮ればいいのに。
もったいない。
と内容では、原作の補完をしたい(映像美が見たい)と思っていた欲望が満たされ
ずに欲求不満なのですが、原作が良ければ審美眼のレベルも高くなるので、二次
創作は最初から高いものを求められるので分が悪いということにしておきましょう。
そして、いい女優、板谷由夏さんを見つけたことを良しとしましょう。
う〜ん・・・ ![]()
原作は読んでませんが、原作者はこの主演男優を観て
砂を噛む思いだったのでは・・?
設定されたキャラとの違和感が強く、ストーリーが進むにつれて
相対的に板谷由夏さんがどんどん一人浮き上がってゆく感じ。
ミスキャストによる失敗作だと思います。
友達じゃ、いやだ・・・ ![]()
板谷由夏さん、ファンになりました。
「友達のままじゃ、いやだ」って気持ち、久々に思い出しました。
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人気ミュージシャン・山崎まさよしの初主演映画。『はつ恋』、『命』などで知られる篠原哲雄監督の初長編映画でもある。かつてカリスマ的人気を誇ったミュージシャンの花火(山崎)は、今は意欲をなくして田舎にひっこみ、キャベツを栽培しながらひっそりと暮らしていた。そんな彼の前に、ある日突然ヒバナ(真田麻垂美)と名乗る謎の少女が現れて…。
上野彰吾キャメラマンによる透明感あふれる映像美の中、篠原演出ならではの優しく繊細で切ない男と女の関係性が、あたかもファンタジーのように描き出され、やがてそれはひたむきな前向きさへと化して、昇華されていく。小品ながらも忘れ難い余韻を残す佳作。山崎は本作品で音楽も担当している。(的田也寸志)
よくわからん ![]()
8月のクリスマスが思いの外、良かったので、これもいいかなぁっと思ったけど、ちょっと違ったみたい。
山崎まさよしファンか、マニア向けかも知れない。
あんなふうにキスしたい。 ![]()
山崎まさよしのファンではないので、彼のことはほとんど知らない。
歌も「セロリ」くらいしか知らないけれど、独特の存在感のあるひとだなあ〜って思っていました。
この作品は、自主制作映画のような青臭さがあります。青臭くて、懐かしくて、どこか気障で、思い込みが激しくて、くすぐったくて痛い。好き嫌いは分かれますね。
ミュージシャンや画家などのクリエイターはどうして、廃校になった学校(のうなもの)が似合うんでしょう?私の知人のミュージシャンも一頃、恋人と野菜を作りながら廃校になった学校で創作活動をしていましたっけ。
私が好きなのは、やはりキスシーンです。ああ、あんな風にいとおしむ様にキスしたいって思いましたもん。その場面だけで、観てよかったと思い、にわか山崎まさよしファンになりました(単純すぎ?)。
あの名曲が出来るまで ![]()
96年の劇場公開時からずっと、観よう観ようと思い続けて結局10年以上が経過してしまった。
山崎まさよしの名曲「One More Time, One More Chance」誕生のプロセスが幻想的に描かれた音楽映画。特に女性陣の人物造形には若干古さを感じるし、ベタだなと思うところも多々あるけれど、とうとう最後にこの曲が完成し、ピアノを弾きながら彼が叫ぶように歌うシーンは、PCの小さな画面であっても心臓を掴まれるものがあります。これは劇場で観たかった......。
おまけ収録の監督インタビューも「いい話を聴いた」という満足感が残りました。
なるべく大きい画面で、なるべく大きい音量で、ぜひどうぞ。
何度も涙があふれてきたの ![]()
好き嫌いは別れるかもしれません
友人3人と一緒に見たのだけれど みんな途中で寝てしまっていたから
でも私は大好きになりました
ストーリーとかキャストとか音楽とか
なにがどうだって 言うのじゃない
何度も何度も見ました
あの音楽を聴く度に涙がでます
この映画をみて 恋に落ちたくなる
後ろからギューって抱きしめられたくなる
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私も手塚弥一郎みたいな人が好きです。 ![]()
藤沢周平さんの小説の中で、好きなほうから五本の指に入る『山桜』。
東山紀之さん、いい役者さんですね。
原作では弥一郎は‘男にしては優しすぎる目元が’とあるので
キャスティングを知った時は正直首をひねりましたが
今は彼以外に考えられません。
原作を読んでいない方が、「野江と弥一郎が一緒に出てくるシーンが少なすぎる、
冒頭の、桜のシーンのあれだけか」と言っていましたが、
あれだけだからいいんです、あまり説明的でないところが。
弥一郎の人となりを端的に示しているではありませんか!
おにぎりのシーンは本にはありませんでしたが好きな場面です。
マイナスの理由はヒロインのイメージとラスト。
田中麗奈ちゃんは嫌いではないですが、ごめんなさい、私の野江のイメージではなかった。
壇れいさん・松たか子さん・鈴木京香さんなどの和風美人が浮かんできます。
それから、私が原作をこよなく愛しているせいかもしれませんが、
手塚家を訪れた野江が、玄関の上がりがまちで思わず泣き崩れるラストの方が余韻が
あってよかったかも。
みている方は、行く末が案じられてちょっと心配なのですが。
藤沢小説が好きなら、この映画も楽しめます ![]()
最近藤沢周平の小説を原作とした映画が多いですね。
この手の作品は往々にして原作と乖離してしまうのですが、(特に藤沢作品は短編が多いので)この作品は小説の行間の叙情を絵にしたような作品で、藤沢ファンなら楽しめると感じました。
原作と同様、はっきりしたラストは描かれていませんので、その点は評価が分かれるところだと思います。
ですので、万人向けという訳ではありません。その点を考慮して星4です
山桜のようにひそやかで美しい男女の情愛 ![]()
藤沢周平氏の約20頁の原作を100分足らずとはいえ品格のある1本の映画作品に昇華させた作品。原作に忠実なストーリーだが、原作のイメージを裏切らない。山桜の美しさ、その下でのかつて縁談のあった野江(田中麗奈)と手塚弥一郎(東山紀之)の出会い、その出会いを胸に秘めたまま意に添わない嫁ぎ先での嫁の役割を果たそうとするも、弥一郎の正義感あふれる行為を悪し様に言う婚家と決別し、実家に戻り、牢に閉じ込められたままの弥一郎の家を訪ねる野江の、多くを語らないが真っ直ぐ筋の通った行動。その弥一郎の家で彼の母に「待っていたのよ」と迎えられ、回り道をしたことを実感する場面は感動的だ。
山桜の季節に始まり山桜の季節に終わる構成の妙。要所で挿入される美しい自然の描写。そして何よりも控えめな田中麗奈と東山紀之の演技が素晴しい。台詞は少ないが、2人とも周囲の人を思い、誠実で、決然と行動する芯の強さを持っているが、情愛は胸に秘めたままという、古き良き日本人の倫理観・正義感・情感をよく体現している。澄明さ溢れる藤沢ワールドの見事な映画化。余韻がいつまでも心に残る。山田洋次監督の3部作の演出方法と比べてみるのも一興だろう。
たそがれ・・と比べてしまう ![]()
田中麗奈は 「暗いところで待ち合わせ」の印象が強く残っていて、視力障害者に見えてしまったのは私だけでしょうか。東山のセリフがなんと少ないこと。あまりにかっこよすぎなので、どうして結婚しなかったのか、やっぱりくっつくのか?とか、ついつい意地悪な見方をしてしまいました。
悪役と良い役が見た目からはっきりしていて分かり易いと言えば言えるけど、・・・。
やっぱり、たそがれ清兵衛と比べてしまって星三つになりました。
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少年の頃の兄の死にまつわる一連の出来事で、父親との間に深い溝ができた真次。だが43歳になったある日、父親が倒れたとの知らせが。地下鉄の地下道でふとそんな父のことや兄のことを思い浮かべていた真次は、いつの間にか昭和39年の東京にタイムスリップしてしまうのだった…。
この真次が、タイムスリップしながら父親の過去を見て回り、実は父親に深い愛情があったことや、なぜあんなにも厳格だったのかなど、いろんなことを知っていくという展開。どんな人にもいろんな出来事があり、それによって考え方などが変わっていく様を、わかりやすく見せている。注目はその時代時代の人物を演じわけた父親役の大沢たかおと、彼の恋人を演じた常磐貴子の変貌ぶり。もちろん真次役の堤真一、不倫相手の岡本綾の受けの演技もいい。(横森 文)
おもしろいですよ。 ![]()
他のレビューを見ていてちょっと残念に思いました。
確かに原作を読まないとよく分からない、つまり作品の中で説明し切れていないところもあります。
個人的にはまず家族構成などが分かりにくいのでは、と感じました。
現在と過去の行き来に釈然としないところがあるというのも認めますけどね・・・
のっぺいなんて映画のなかでは「誰アンタ?」っていう感じになっていましたしね。
でもこの話はほんとは凄く深いです。
小沼佐吉はただの荒んでしまった暴力親父ではありません。
みち子の行為は自殺ではありません。
「地下鉄に乗って」の話を「罪と罰」というふうに単純に結びつけないでほしいです。
できれば原作のほうを是非読んでもらいたいですね。案外映画→小説という流れでみると面白いかもしれません。 「あのシーンにはこういう背景があったのか」という発見は必ずあるはずですし、そこからさらに掘り下げることで自分なりの解釈が出せると思います。
この映画はエンディングがすごく印象に残る作品です。
みち子の存在が無くなってしまった事より、みち子に関する記憶までもが奪われてしまう、「今」を
生きなければならない者に対しての現実の無情さが胸にずん、とのしかかりました。
Salyuさんのプラットホームの挿入のタイミングがすごくきれいです。
個人的に一番好きなシーンです。
戦前から変わらない地下鉄の軌跡を通じて父を理解していく ![]()
心が離れてしまった身近な人。きっかけは些細なことであったり、お互いの思い違いであったり。
だが、もしもその人の思いをその人の視点に立って理解することが出来れば・・・。
相手を思いやる気持ちの大切さを思い出させてくれる。そんな作品。
タイトル通り、主人公が地下鉄を通じて現在と過去を行き来することで物語は進んでいく。
昭和39年のオリンピック、戦後の闇市、過去は劇場であった駐車場など、目まぐるしく変化していく東京の風景がタイムトラベルの手法を用いて劇中描かれていく。その一方、唯一変わらないのが地下鉄の窓から眺める地下の風景と過去から脈々と受け継がれる線路の軌跡。これら二つを対比させることで、主人公の立ち戻る原点がどこにあるかを示していく。
またその地下鉄は、主人公の周囲の人々の歴史を刻み、思いを運んでいる。過去、若くして死んだ兄と心弾ませながら初めて目の当たりにした地下鉄であり、満州出兵の直前に父がのった地下鉄である。
変わらない風景の中で主人公が思いを馳せる行き先は、絶縁だった父が何を考えてきたかということであり、そしてその主人公に思いを寄せるヒロインにとっては、過去の母の自分に対する思い、そして自分が愛する人の幸せだった。
なお、監督のコメントを聞くと地下鉄上もっとも歴史が長いのは銀座線、次に丸ノ内線とのこと。作者がこの2路線が取り上げたのは、長い時間と運ばれてきた多くの思いの象徴として用いたかったのではないだろうか。
また作品中、現在の地下鉄の場面がいくつかあるが、地下鉄で当たり前のように目にする携帯電話でメールをする乗客が見あたらない。
代わり映えのない地下鉄の風景は、日々の忙しさでなおざりにしている人々へ思いを馳せる時間だと監督は訴えたかったのではないだろうか。
タイムスリップものの「掟」破り ![]()
タイムスリップものには「掟」がある。過去に行った者は、決して未来(現在のこと)を根本的に変えることをしてはならない。
浅田次郎の原作そのものがこの「掟」を堂々と破っているのだが、サスペンス的要素が強いので、読者をぐいぐい引きつける。
だから、ラストでヒロインのとった「決断」に仰天するが、この小説が「浅田次郎の父親へのオマージュ」だと気付いて納得する。
この映画は、相当「はしょって」はいるが原作に忠実に作られている。
ただ、読み返すことのできる小説と異なり、2時間で「複雑なストーリー」を理解してもらうだけでもたいへんなのに、例の「掟破り」を見せつけられたのでは、観客は大いに興ざめしてしまう。
原作を評価できる人にはおすすめである。原作を読んでなくても、浅田次郎ファンなら、少なくとも怒りは感じないであろう。それ以外の人には、残念ながら「後味の悪い映画」になる。
ほぼ、同じ時期に映画化された「椿山課長の七日間」は、原作の「少しブラックな部分」を巧みに変えて、誰にでもわかる「感動作品」に仕立てている。
こっちも、浅田次郎に直談判して、「掟破り」のところだけでも少し変えたらよかったのに。
うーん・・・ ![]()
作者が何を伝えたいのかがよくわかりませんでした。
家族の絆を伝えたかったのかもしれませんがあまり伝わってこなかったですし、堤真一と岡本綾の関係も気持ちのよいものではありませんでした。どうして一緒に少しの時間を過ごしただけで父を許せたのか、どうして岡本綾が死ななければならなかったのでしょうか。
見終わった後、すっきりしない映画でした。
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ロングセラーとなった書籍「天国の本屋」シリーズの第1部と第3部を1本の映画にまとめた作品。生きているのに天国の本屋にスカウトされたピアニストの健太と、伝説の“恋する花火”を復活させようと奔走する香夏子。天国と地上で、失われたひとつの恋を追いかけるふたりの物語。
行動的な女性・香夏子と、死んでしまった彼女の叔母・翔子の二役に竹内結子がチャレンジ。特に前者は彼女が得意とする“チャーミングな猪突猛進娘”を、例によってアクティヴに好演。かつて翔子の恋人だった花火職人・瀧本に扮した香川照之が、わずかな出番ながら木訥たる存在感を見せており、そのラストカットは感涙もの。今ひとつ話の焦点が絞り切れていないきらいはあるものの、篠原哲雄監督は誠実な演出で、この不思議なラブトーリーに涼やかな読後感を与えることに成功している。(斉藤守彦)
見事な構成で感動 ![]()
こういった物語展開というのは、多くの人から感動を引き起こしますね。
テーマは、「生命の永遠さ」と言いますか。
天国と現世との間で進行している話が、最後にリンクするんですね。
花火とピアノ曲で。
ドドーンと鳴り、夜空を彩る花火。風とともに流れてくるピアノの旋律。
それが天国と現世にわかれている、恋人だった二人をつなげている。
とても気持ちいいです。
特典の内容 ![]()
特典ディスクに関するレビューがないようなので。
特典には、丁寧に装丁された文庫サイズの本が封入されいます。
薄いのですが、背表紙もあり紐の栞も付いているほどしっかりしています。
これには、原作者が書き下ろしたの「蛍」という小説、映画場面の写真(カラー)、俳優や監督のコメント、原作者による「映画『天国の本屋〜恋火』の観方」、ロケ地ガイドなどが収録されています。
この中の「ほたる」という小説には、ヤマキや天国はでてこないのですが、この映画で重要な役割を果たす瀧本の、恋火を作るきっかけはこれかと思わせる幼少時代の小さなエピソードです。わずか12ページと短いのですが、読み終えて暖かい気持ちになれました。特典ディスクにも、竹内結子によるこの小説の朗読が入っています。
「天国の本屋」ファンであれば、こちらの特製版を持っていても損はないと思いました。
特典ディスクには、
・メイキング
・香里奈のナレーションによる撮影現場の裏側
・主演2名のピアノレッスン
・大倉孝二の撮影によるオフショット
・ビデオクリップ イメージ「永遠」
・竹内結子の朗読による上記書き下ろし小説「蛍」(映像は原作者のイラスト)
・完成舞台挨拶
が入っています。全部で126分。
良かった・・・けど ![]()
原作から見たからかな
さとしの扱いや立場に不満しか残らない。というかユイとさとしの関係が、う〜ん・・・原作一作目のラストに感動した自分としては、もう少しちゃんとしてほしかったかな。(あと漫才コンビ)
でもでも、単純に映画として見たら素晴らしいの一言。原作から呼んだから、より一層泣けたシーンもありましたし、竹内さん演技も良かったです。
永遠 ![]()
私は原作を読んでいて話の展開はわかっていましたが、それでも最後のシーンは
感動して涙が出ました。「恋火」が打ちあがる中、長い時を越えて恋人のもとに届いた
「永遠」はすごく美しかったです。
活発な女の子と儚げな女性を見事に演じている竹内結子さんは本当にハマリ役。
もう一度花火をあげて貰えるよう香川さんを説得しに行くシーンはラストとは別の意味で
名シーンだと思います。
欲を言えばもう少し朗読のシーンを入れて欲しかったなぁと。
でも、原作を大切にしてるいい映画です。
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篠原哲雄監督による、爽やかな青春映画の傑作。沖縄のさとうきびを収穫するアルバイトに応募したメンバーは過去さまざまなジレンマや傷を負っていたが、広大なさとうきび畑で働くうちに大切なものを掴んで行く。
どちらかと言えば地味。さとうきびをひたすら刈る男女の汗まみれの姿が延々と続く、そんな作品だ。それでもこの映画が爽快な後味を残すのは、登場人物ひとりひとりのエピソードが丁寧に描かれており、観客の感情に訴えかける力を持っているからだ。7人の若手俳優たちはみな役柄同様、一生懸命な姿が好印象。実際に沖縄で合宿をしながら、きびを刈るシーンはシナリオの順番通りに撮影したという、その手法が彼らの表情、仕草、そしてお互いの関係性の変化にリアリティを与えている。寡黙な少女に扮する長澤まさみは、この後『世界の中心で、愛をさけぶ』で大ブレイクした。(斉藤守彦)
疲れた人は ![]()
この映画、癒されます。特別な事は何もなく、とゆーのはありがちなラブやコメディー、悲しいストーリーなく。毎日さとうきび刈りをしながら沖縄の人たちとの35日間を過ごす。
なんか優しさが溢れてる映画だと思います。
見ててなんかほほえましい映画でした。
そんなストーリーと合わせられる音楽がまた良かったです。
疲れた日に見たくなります。実際疲れた時に見ましたが癒されました。
疲れた現代人!オススメっす!
観る者が疑似体験する作法で、自然の癒しを共有できる作品 ![]()
この作品は「ちゅらさん」の岡田恵和が企画「メトロに乗って」「天国の本屋〜恋火」の篠原哲雄が監督しているということだったので、それなりに期待して観た。そして、期待通りの作品だった。
この作品はその80%がさとうきびを刈るシーンと食事のシーンで構成されているが、その中で日常の自然なドラマが展開される。
きび刈り隊のメンバーの過去やきび刈り隊に参加することになった動機は、詳しくは説明されない(谷原章介と成宮寛貴は少し自分の過去を語るがそれはあくまで一部分)。何らかのストレスを持った人や社会に順応できない人たちが参加していることは展開からわかるが、その他は観る者の経験や現在おかれている状況からきび刈り隊のメンバーの過去や参加動機を想像してふくらまし、観る者が自ら出演者に個性を与えることになる。ある意味、観客参加型で観る者がきび刈り隊を疑似体験することになる。この効果が、きび刈り隊が仕事を終え、ひとりひとりが新たな一歩を踏み出す時の感情を観る者も共有し、日頃のストレスが癒された心地良い感覚に陥るのだと思う。そういうところが素晴らしい作品だ。
役者さんはみんな抑えた演技で自然な若者を演じているところが、この作品の特徴。特に長澤まさみはめずらしく言葉をほとんど発しない地味な役だったが存在感があり、彼女自身の行動が皆に与える影響の大きさがうまく活かされていた。
その他には金子さやかのわがままぶりも良かったが、香里奈はちょっと優等生すぎたか。
ともあれ、若手の役者さんたちの演技もなかなか冴えた久々の邦画の秀作だったと思う。
MY LITTLE LOVERのエンディングも最高だった。
人生には深呼吸が必要だなあ。 ![]()
本作を観ていると、せわしない毎日のギスギス感が緩和される。「なんくるないさ」って思えば、日々のイライラなんて吹き飛んでしまう。これがこの映画のいいところだろう。群像劇が軸になっているが、主演の香里奈の溌剌さが本作を引っ張っている。篠原監督とは同時期に大傑作の「天国の本屋」でも組んでいるが、こちらのぎこちなさに比べると飛躍的に良かった。演技のない演技、というか、そういうところが役柄に溶け込んでいたのだろう。ポイントポイントでの深呼吸も気持ちよさそうだった。長澤まさみは出ずっぱりの割にはセリフが3つくらいしかない(!)のも新鮮だった。このあと「世界の中心で愛をさけぶ」でブレイクするのだが、ほぼノーメイクでの赤ジャージ姿が可愛い。考えてみれば松竹作品に長澤まさみというのも、昔で言う「貸し出し他社出演」みたいなもので非常に珍しい。篠原監督と組めたことは、その後に大きなプラスとなっているのでは。他、成宮寛貴、金子さやか、谷原章介、大森南朗など助演者も魅力的だった。また宮古島の青い空とさとうきび畑の風情も、本当に心地いい。脚本には長澤雅彦も参加しているので、ストーリーにより厚みが出た。疲れている人には栄養ドリンク以上の効果があります。行き詰ったら深呼吸してみよう!
疑似体験のような ![]()
沖縄の島で約1ヶ月間、サトウキビを刈る臨時バイト「きび刈り隊」に参加した若者達のストーリー。
広大なサトウキビ畑を期限までに刈る作業の中、時折参加した人々の背景を表すような出来事も起きるのだが、そんなに引っ張るでもなく、全員のバックグラウンドが明かされる訳でもなく淡々と描いている。展開自体に特に意外性はないものの、初体験の作業を教えられて鎌と斧を持つ主人公達が段々と変わっていく姿を追う『きび刈り隊参加体験映画』という感じ。地味だが、まるで自分がひと夏のキビ刈りバイトに参加したような気になる、疑似体験のように印象に残る変わった映画。爽やかな静けさを感じるラストはとても印象的。
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病床の母の頼みで、古いオルゴールを探しだした17歳の娘、聡夏。そのなかから古い手紙と、若き日の母とその初恋の相手、藤木の写っている写真を見つける。もう長くはない母のために、藤木を探す聡夏。しかし、ようやく探し当てた彼は、すっかりうらぶれた中年男になり果てていた。聡夏は藤木を改心させ、母とかつての約束の地「願い桜」の下で再会させようとするが…。
母の思い出を通して、少女の成長していく姿を慈愛をこめて描いた、篠原哲雄監督の秀作である。田中麗奈が思春期の感情を繊細に演じ、映画女優としての成長を確信させる。母と子の初恋再会劇から一見取り残されたかのような父親(平田満)を、決しておざなりにしていないのもいい。(的田也寸志)
平田満に涙腺を預ける ![]()
もう泣いた泣いた。泣きまくりました。
原田美枝子に泣かされまくりで、平田満に涙腺預けた感じでした。
真田広之が原田美枝子の昔の恋人ってどうよ?またギラギラしすぎるんじゃないのか?とも心配しましたが、いいバランスでした。真田広之のあのやりすぎ演技もキャラに合ってた。ぎりぎりだったけど。
田中麗奈が主演ですけど、ま、そーゆー配置なんでしょう。彼女は『がんばっていきまっしょい』の方がよかったな。この映画のしゃべり方だと米倉涼子だ。米倉涼子が田中麗奈に似てると言うべきか。
で、すぐに婦人科に診察受けに行ったよ。「悪性だったの」ってセリフがとっても怖かったので。映画のトーンの中でずーっとずぅぅぅ〜っと原田美枝子は死ぬんだってそればっかり気になってたんだけど、そゆーの監督の真意なんでしょうか?原田美枝子の生死ばかり気になるって見方で正解?私が過敏なのか?広く問うてみたいところです。
ストレートな表現 ![]()
篠原哲雄監督は、美しいものを美しく描く。ストレートに、素直に、心に響かせる術をよく知っている。この作品は、田中麗奈のピュアな演技を存分に引き出して、美しい高遠の世界をさらにひきたてる。この作品のストレートな描き方は、同監督の映画、浅田次郎原作「地下鉄に乗って」でも、存分に表現されている。「地下鉄に乗って」を見るのであれば、その前に、このビデオは、是非みておきたい。
小品ながら、誠実で清々しさ溢れる秀作。 ![]()
そのタイトル名からして、かのロシアの文豪の同名小説を想起してみたものの、まるで異なる、しかし、これは素敵な映画だと思う。“はつ恋”という、誰もが持ちえる郷愁と切実さ溢れるある種の甘美な思い出の断片をモチーフに、それを決して感傷的なムードに陥らせず、“今”の視線で、家族や親子の絆、恋愛や大人への成長を、“歓び”と“痛み”を以って、誠実に慎ましやかに謳いあげている。主要人物の4人の誰にも感情移入出来る脚本が見事。物語の主筋には絡まないが、私は、愛妻の苛酷な運命を聞かされ、娘とも疎遠になりながら、感情を押し殺して気丈に振る舞う平田満に、最も心動かされた。ラスト近くでの、家族3人の2度に渡る記念撮影は、ツライながらも、各々が苛酷な壁を乗り越えた(受け入れた)上での充足感=清々しさが感じられ、胸を打つ。原田美枝子は私と同世代だが、10代に「青春の殺人者」や「大地の子守唄」での奔放な役柄そのものの活発なイメージから30年、素敵なおかあさん女優になった。女優といえば、主演の田中麗奈も大器を感じさせる存在感。映画を主な活躍の舞台にしてくれていて、映画ファンとしては嬉しい。
桜ってひとりで見るのは辛いよね ![]()
こういう美しい映画こそ、劇場で鑑賞したかったと悔やまれます。
はつ恋、夫婦の愛、親が娘に注ぐ愛、どれも遺憾なく美しく描かれていました。
一本桜を見上げるたび、きっとこの映画を思い出すでしょう。
「桜ってひとりで見るのは辛いよね。」
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下手には作れない藤沢周平原作、薄紅色に咲く山桜 ![]()
最新の技術で撮影したのだろうけど、期待していたほどの鮮明な山桜が映し出されてはいなかった。包み込まれるような感覚を味わえるか、と添付ライナーノートを読みつつ作品を予想したのだが。しかし、それは意図的であったのだろうか、と憶測してしまう。カメラの捉えた野江の着物姿には、情景に映える美しさが込めてあった。天地自然の美しさを花鳥風月というが、かくも、身につける者の清らかさと調和の取れた姿は何と表現したらよいのやら、と考える。
物語は、静かに流れる。雪も花も、田も山も美しい。しかし物語として、腑に落ちない点が一つある。野江の実母瑞江は、母一人子一人の家との、すなわち手塚弥一郎との縁談を断っておきながら、なぜ、磯村家出戻り直後の野江に対して、あなたは回り道をしているだけだ、と分かったようなことを言わせたのか。身長170cmの大柄な壇ふみさんの、石垣の前を歩きながら振り向いた笑顔で、鼻っぱしの強そうな娘に向けて語り掛けているが、意味を成さない。
バックグラウンド・ビデオのような作品と見れば、言葉の持つ強さや心情のメッセージから来る鑑賞者との協調や相互作用、没入感というような忙(せわ)しなさは要らないのでは、とこの作品は問うているのかも知れない。
そうだ、渋い感想をもう一つ。旧伊奈町のエキストラの皆さんには、万能を使った田起し、米俵(60kg入り)担ぎなどなど、小手先だけでやらぬようお願いしたい。百姓を演じているのだから。
初回限定版のせいか、おまけのDVD1枚付き(俳優に、文学性やら哲学染みた生き方に向けての質問は野暮だが、少々、編集して付けてある)。
田中麗奈の所作に目が潤います。藤沢周平原作。 ![]()
ストーリーは、二度目の結婚で出戻りと蔑まれて日々を過ごしていた
野江が、お見合いで会った武士と山桜の下で再開した。野江への思いを
貫いて、いまだ結婚していない武士が、正義をも貫いて悪巧みをする
藩の重臣を切ってしまったとき、野江も彼への愛に気付く、というもの。
藤原周平原作で、過不足無い映画に仕上がっています。100分足らずの
映画ですが、良い意味で長い余韻を楽しめる映画でしょう。
野江と武士がお見合いをした後、互いの、互いへの想いを胸に秘めている
ところから始まります。ただ、野江は自分の気持ちに気付いていない。
山桜の下で再開して、それをきっかけに自らの想いが徐々に明らかに
なる、しかしながら、二度目の結婚なので失敗は許されない現実。
想いと現実とを揺れ動くさま、そして、現実を想いが上回り、堰を切った
ように溢れ出る感情を、野江に扮する田中麗奈が自然と演じています。
田中麗奈は時代劇初挑戦でしたが、良いですね!和服で歩くときなどに
ムダな所作が多いこともありましたが、親元に居る娘役なので無問題
でしょう。むしろ、その辺も初々しく観ることができます。
そして、二人の秘めている想いがお互いの妄想ではないことを表した、
野江が武士の家を訪れるシーンが特に良い。ぎこちなく、でもまっすぐ
武士の母親を見つめる田中麗奈の目を見ると、こちらの目も潤います。
なお、主題歌は一青窈の「栞」。「遠回りして いつの間にやら幸せ」が、
この映画を端的に表していますね。(Keyなどに収録)
しみじみ感動 ![]()
田中麗奈は、時代劇は今回が初挑戦とか。着物姿も楚々としてとてもキュートなのだけれど、どこか筋が通っている心の強い凛とした女性像を見事に体現していました。(萌)
そして、東山紀之がやたらと格好良かった。殺陣もビッシと決め、子供には優しく微笑みかけるという美味しい役どころ。でも確かに、手塚弥一郎というキャラクターが、ストイックなイメージのある東山紀之に合っていました。
実家のお母さん役を壇ふみが演じています。体裁のためにガミガミ言わず、娘の気持ちを察してそっとひとこと大事なことを言うのですが、それもお母さん自身が凛としているからこそ生きてくるんですね。
あと、村井国夫の悪役がビックリするほどハマっていたし、ちょっとしか登場場面はありませんが、富司純子の存在感が凄かった。
そして、もうひとつの主人公は風景ですね。雄大な山の風景や田んぼのあぜ道。一面の雪景色。春に雪解の水が流れるせせらぎには、小さな草花の芽。そよそよとした風さえ感じられる。そして、本作のダイトルでもある『山桜』。
ラストは、大きな苦難の予感があるものの、これはこれでハッピーエンドなんでしょう。
期待通りの仕上がりになっていると思います。 ![]()
他の藤沢作品と比べ、全国の主要映画館で放映されなかったので、見ることが出来ず、待ちに待ったDVDの発売。
たいそう丁寧に作られた作品だなぁと思う。
不幸なヒロインが「自分を陰ながら見守ってくれていた人が、いる」と言う驚きの事実に 「見ていてくれる人が、ガッカリしない様、もう一度頑張ろう」と心を奮い立たせるのも健気で、このヒロインの思いは現代人でも通じるものでしょう。
幸せを予感させる終わり方も 後味の良い、心温まる映画に なっています。
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女優、料理、展開 どれも楽しめます ![]()
それほど話題にはならず、公開当時、映画館では確か同じ原田美枝子の出演していた『OUT』を優先して観て、こちらは結局観ないままになっていたのでした。でも気になる映画で、ずっと観たい候補に入れたままでしたが、ようやく観ることができました。
ところが、期待以上の出来で、こんなにしっかりした映画だとは驚きました。もっと退屈な映画かと思っていたのです。『8人の女たち』に似ているとは思いましたが、公開時期からすると、ほぼ同時期ですね。
謎解き中心というよりは、その展開を楽しむ構成に好感が持てました。そして魅力的な女優陣の演技も堪能できました。彼女たちを見ているだけでも満足です。一度観終わって、すぐに2回目を観ました。
鈴木京香、原田美枝子はさすがの存在感。富田靖子、西田尚美もしっかり個性を発揮。加藤登紀子は独特の雰囲気でまあまあ。浅丘ルリ子はまさにプロ。こんな感じでしょうか。
大人のための珠玉の作品 ![]()
原作・脚本・キャスティング・演技・美術すべてがプロのお仕事です。一人の天才力というよりプロ集団が一致団結してしあげた感じが素敵です。
女優達の演技や恩田さんの原作について...私から言うのは一言
「決してお腹がすいているときに観ないで下さい」
ほんとにおいしそうな食卓が延々と流れます。でも、途中で何か食べにいくのがおしいほどいい作品です。
文学の香り漂う物語 ![]()
女流作家・重松時子の死は自殺か他殺か?
時子を取り巻く編集者や血縁関係にある女流作家たちが年に一度、時子が住んでいた「うぐいす館」に集まる。
時子と共に暮らし、時子死後も「うぐいす館」に住む編集者のえい子が、女流作家たちに様々な手料理をご馳走するのだが、その料理の魅力的なこと。
料理に舌鼓を打ち、ワインを楽しみつつ展開される彼女たちの会話は、とてもスリリングで、引き込まれる。
私は原作は読んでいないが、独特な静けさの流れるこの映画が大好きだ。
あのワクワクするような料理と、不思議な雰囲気に惹かれて、何度も繰り返し観てしまう。
料理のレシピが特典映像に紹介されているのもポイントアップ。
派手ではありませんが・・・ ![]()
恩田陸さんの原作を読まずに観ましたが、話が分かりよかったです。
全般的に静かな雰囲気で進行していきますが、最後に来て真相が明らかになります。
恩田陸さんの小説が好きな人は見て損はしないと思いますよ。
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定期的にカラオケパーティを開いている6人の少年グループ(松田龍平、安藤政信、池内博之など)と、全員ミドリという名前のおばさん6人(樋口可南子、岸本加代子、鈴木砂羽など)が、ちょっとしたいさかいからいつしか殺しあいへと発展。しかもその武器もどんどんエスカレートしていき……。
村上龍の同名小説を『はつ恋』『命』などの俊英・篠原哲雄監督が映画化した近未来風ノンストップ・バイレンス映画。しかし、そのテイストは一貫してブラック・ユーモアにあふれたもので、またそれらのシーンをタイトルさながら『恋の季節』『また逢う日まで』などさまざまな歌謡曲が一見何の脈絡もなく(!?)彩り、一段と不可思議な映像空間へといざなう。殺し合えば殺し合うほどお互いのグループが生き生きとし始めていくという、病める現代日本に棲息する者たちの屈折したパワーの解放がすさまじくもおもしろい。(的田也寸志)
昭和歌謡に導かれ ![]()
まずこういうデリケートな原作ものはいっつも、いっつもあたかも自分の作品かのように「作品を汚された!」「原作と全然違うじゃねえか!」と駄々をこねる人がいますが、もう止めて下さい。そんなの当たり前じゃないですか? 別物に決まってますよ! 決まってると分かってても文句言いたくなるのが人間かもしれませんが。
要はこの映画、昭和歌謡にのせて繰り広げられる若者の野郎グループと、オバサン集団「みどり会」の殺し合いです。初めは双方の途方も無さそうなギャップから物語が始まったはずなんですが、次第にこいつら似たもの同士だな、と観る人は行き着くんです。だから共食いに近いんですよ。登場人物は気付いていませんが。それが面白かった。
お互いそれぞれの人生の中で無理に刺激を求め、無為に日々をすり減らし、「何だかなあ」という生活を送っている。それが「事件」を引き金に、「殺し合い」がお互いを生きがいを見つけたかのように溌剌とさせるんです。そんな充実ぶりを表すかのように、凶器がどんどんエスカレートしていって、最期には(笑)のような状況が待っています。尾崎氏のエンディング・テーマと相まって良い感じでした。
ただ不満なのが、女性陣のキャスティング。何だかすれてるオバサンにしては綺麗すぎなんですけど。別に熟女好きではないですが、森尾由美とかフーミンとか鈴木砂羽はそんな役を押し付けられるほど萎びれていないと思うんですが。やっぱり「OUT」ぐらいくたびれていないと。
深くは考えずに… ![]()
原作知りません。なので予備知識無しで見ましが、これは完璧な娯楽作品でしょう。バイオレンスあり、ブラックユーモアあり、エロありで何でもありですな。少年グループもおばちゃんグループも殺人を肯定しているのでR-15も然り。同性からしてみればおばはんの自慰シーンなんか見せられても萎えるだけですよ。平成生まれなので歌の小ネタも分からなかった(コスプレかYO!)。オチを見てるとギャグにも見えてきた。作品としては大好きですが。
私は未成年なのでどうしても少年グループに感情移入しそうになるが、大人からみた現代の若者の恐さが表現されていると思う。顔もよくて一見好青年のスギオカ君がささないなことでキレる様はそれの真骨頂だろう。また、生き残ったイシハラ君が多分無学だろうにたった一人で原爆を完成できたのは「子供の未知の可能性」という正の部分と「目的の為には手段を選ばない」という負の部分の皮肉だと思うが考えすぎか?原爆を完成させてその周りを自転車で旋回しながら熱唱する様子はインパクトがありすぎ。
あの後、イシハラ君はどうなったんだろう?もし死んでしまったのなら、あの世で皆とまたバカやってそうだなぁ…。
いかにも村上龍らしい。 ![]()
青年とオバサンが大した理由もなく殺しあう作品。
登場人物たちが人を殺すごとに元気になっていく様が可笑しい。
日本社会の病理をえぐるという側面もあるが、
ブラックユーモアとしてシンプルに楽しめば良いと思った。
昭和歌謡が残酷さを和らげる緩衝材になっている。
主演の松田龍平の壊れていく演技が秀逸。
トカレフを売っていて、原爆の製造法まで知っている金物屋のおっさん役の原田芳雄もいい味だしている。
ラストシーンの徹底した破壊は村上龍らしさが爆発!という感じで奇妙な爽快感がある。
はっきり言って駄作だと思います。 ![]()
最初の部分で、安藤政信演じる少年がオバサンを殺しちゃうあたりではなんらかのテーマ性みたいなものを感じたけど、その後の展開はさっぱりわけがわからない。
かといってギャグやブラックユーモアとして観るには、弾けた方が中途半端でつまらないし、笑えない。
「大全集」というくらいなら、もっともっと少年にもオバサンたちにも歌い狂ってほしかった。
キャスティングについても、どうしてもこのメンバーでなくてはいけない理由もないようで、それぞれの個性があんまり引き立っていないように感じた。
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