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斜陽・人間失格・桜桃・走れメロス 外七篇 (文春文庫)

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斜陽・人間失格・桜桃・走れメロス 外七篇 (文春文庫) by 太宰 治 価格: ¥ 690
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読み辛い
文字が、ページの内側ギリギリまで印刷されており、
目一杯開かないとしっかり出て来ない。
確かに太宰の代表作を網羅したのは良いのだが、
この様に、少々無理のある形での製本と言うのは
長い目で見ると余り面白くない。
これから買う方は、余裕を持って読書出来る製本か
どうかと言う観点で見るとこれはイマイチと言う事
だけ知っておけば良いと思います。

あ、そうそう、新潮文庫だと本編の終わりに
まとめて紹介されてる本文の用語解説が、こちらは
必要なページに逐一載せて有る点は分かりやすくて
グーです。

エンターテイメント性を読み解いてこそ
「人間失格」のような作品ですらも、エンターテイメント性を失わないところにこそ、太宰の凄さがあり、同時に彼がどれほど病んでいるかを示しているように思います。

ギュッと詰まった太宰の世界です
 39歳で逝った天才作家の作品を11作品も納めた贅沢な文庫です。使える時間と気分に合わせて順不同で読むのがお勧めです。
 「満願」「葉桜と魔笛」は女性の心理を見事に描いた短編。「トカトントン」「ヴィヨンの妻」はユーモアが溢れ、「人間失格」「斜陽」は、太宰の自己表現の代表作として、重く、読み応えがあります。
 左ページの左端の注釈はとても分かりやすく、思考を中断せずに読み進めることができます。また、巻末の「太宰治伝」や「作品解説」、年譜は、太宰をより深く知る手掛かりとなります。今年は、太宰生誕100年で、作品の映画化も複数あるとか。かつて読んだ太宰作品を読み直したり、未読の作品を数多く読んだりしてみたくなりました。

お子様の読書にいかがですか
夏休み前に買い、さり気なくリビングにおいて置いたら、こどもが読んでいました。
こんなことを書くとトシがばれそうですが・・・小学生時代の国語の教科書には太宰はひっぱりだこでした。理由は明確。彼の作品は、低学年にも、(無論成人にも・・・)読みやすいんですよ。うがった言い方をすれば、アタマが悪いヒトでも、漢字や熟語、嫌味な文学表現(!)をたいして知らなくても(笑)読めるし、書評できるんですね。この時代にエンターテイメントの本質を体現していたんだから、たいしたもんですねー。

もちろんいいオトナが、今読んでもおもしろいですよ!

DVD、ゲーム、PC、テレビ漬けのあなた!(もしくはお子様)
秋の夜長に、お気に入りの珈琲でも淹れて、”読書を堪能したゾ!”っていう充実感を思い出すのには最適の一冊ですよ。(かなりオトクなパッケージになってます)

私の好きな作品は・・・
"人間失格" と "走れメロス" が好きな作品です。

最後は、人間でなくなった話とハッピーエンドで
終わった話ですが、しかし、似ている。
全然逆の終わり方のように思いますが、似ている。

すべての作品にいえることですが、人間の本性を
現しているような作品だからです。
そしてこの作品はすべての人間に当てはまるので
はないかと思うのです。
うまく説明できませんが、周りの人間の反応を見
ながら自分もそれに合わせるような経験がそれに
当てはまるのではないでしょうか。

本の最後を見るとかなりの作品を残していること
に気がつきます。
本書はごく一部の作品だと言うことになります。
ほかの作品も気になるところです。

作者本人が登場する作品の多いこと多いこと。


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現実的じぁない女と現実的な男
私は男ですが読んだ感想はずばり…阿保くさい。



男は現実的にいそうだが、女は男がこうあってほしい理想な女みたいで萎えた。

主人公は優柔不断で最後まで後悔する。自業自得。


ヒロインは、婚約者がいるてわかって恋愛する…そしてその恋愛を一生引きずる?

今まで恋愛に対して自由奔放だったヒロインが、笑えます。嘘くさくて。



この二人は自分達の恋愛しか見えず、光子の気持ちを踏みにじり、それでも最高の恋愛をして最後までそれを思いだろうていう自己満足。


恋愛する前に、人の気持ちを考えてみたことがあるのかと問いたくなる主人公。

ヒロインはありえない。


これが、純愛と帯に書かれていて純愛とは自己満足なんだなと思いました。

タイトルがいい
タイトルに惹かれて購入しました。
内容ですが・・・ストーリーそのものは男のずるさや女の悲しさが随所に見られ、非常に面白かったです。
残念なのは登場人物(特に主人公)に魅力が感じられないところ。
好青年、スポーツマン等々、一言でまとめてしまっているだけに、血の通った人間として受け止めるのが難しい。

読みやすいストーリーに人生の謎かけ。
前から気になっていたのだが、たまたま書店で見かけたので手に取った。一生愛を貫く主人公の女性が現実のもののようで胸を焦がした、と作者があとがきでコメントするほど。
こちらもテーマは純愛。『人間は死ぬとき愛したこと、と愛されたこと、どちらを思い出すか?』
というとてつもないテーマが命題。死のうという人にインタビューはできないから、自分が死ぬまで解けない謎かもしれないが、結局はそれまでの自分の生き方に規定されるような気もしていろいろ考えさせられた。

いまいちでした
辻さんの本は初めて読みましたが、読みやすくはありますが、内容はいまいちでした。わたしも海外生活しているので、駐在員生活ってこんなかも〜というのはありましたが、主人公は男性の妄想で出来てるような人でした。主人公に都合よく姿を消し、その後も独身で25年間も主人公を想って生きていたなんて、女性の立場からいうとありえません。これは男性一般の、こういった恋愛がしたいな〜という妄想ストーリーではないかと感じました。

わかりません。
彼と別れた後に、友人から勧められた一冊。
「あなたから聞いた話と同じで、びっくりした!」
すごく不安な気持ちになったけど、どうしても気になって読みました。

結果、号泣。


結婚が決まった彼と出会って、恋をしました。
はじめは軽い気持ち。でもどうしようもないくらい好きになって、期限のある恋におびえてた。こわかった。
私とおんなじくらい彼も泣いて、当たり前のように涙を流す別れすら言ってくれない彼を心底ずるいと思ったし、同じくらい愛していました。


別れてもうすぐ一年くらいたつけれど、正直よくわかりません。
いま考えても愛していたことも本当。今も彼のことを思い出す。
あんなに好きな人と別れてよかったのか、とも考えます。
一緒にいられるなら立場なんて関係ない、それが本当の愛なのかもしれないし、
迷っていた彼を信じてついて行くことだってできた。
弱くて可愛いひと。
でも、一緒にはいられなかった。それが私の真実です。


この本は、やっぱり男の人の幻想だと思います。
きっと彼は今も私のことを好きだって言うんでしょう。
だけど、手に入らなかった恋に酔っているんだと思うから。
奥さんといて、結婚してよかったな、と思いながら同時に私のことが恋しいって理想化してると思うから。

愛したことを思い出したい。

でも、25年たった二人の結末はやっぱりたくさんの疑問が残ります。

豊も彼も本当はなにがしたかったのか私にはわかりません。
沓子の手紙も愛のようで、反対にただの自分のエゴのようで純愛よりも何よりも、可哀そうだと思いました。

光子は、本当は気づいてたんだと思っています。


読み手によって感想は違うと思います。
人はみんな自分の価値観を持っているから沓子のような、反対に光子のような人生を望む方もいらっしゃるでしょう。
だけど未来のためだけに生きているわけじゃないし、私はこんな結末を迎えたいとは思っていません。
自分の幸せをかならず見つけます!



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ヴィヨンの妻 (新潮文庫) by 太宰 治 価格: ¥ 380
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太宰という人はすごい
 太宰という人はすごいです。
 妻や子を犠牲にしてまで、文学にのめりこんでしまうなんて
 執筆にのめりこみ、女性に酒に薬にのめりこんでしまい、
家族を顧みない太宰
 こんな人はいないでしょう。
 戦争が太宰というひとをつくったのか、はたまた太宰が戦争で変わってしまったのか?
 なんともすごいひとです。

妻のけなげさ
「ヴィヨンの妻」に登場していた妻は本当にけなげだ。夫は酒をたくさん飲み、浮気をし、おまけに借金まで作っている。それでも妻は仕方がないと健気に生きている。この作品の読みどころは夫が雑誌で批判されていて、夫がそれをうまく弁解した後に言った一言だと思う。こんなだらしのない夫にこのような言葉を言える妻はそういないと思う。

太宰生誕100年
太宰自身を投影させた様な短編集。晩年の自殺行動を髣髴とさせる作品に共感できる部分は少ないですが、自己中で酒を飲んで借金をしてドロボーまでして浮気を繰り返しても明るくしなやかについていく妻。そんな、奥さんに少し憧れをいだいた今日この頃です。

表題の「ヴィヨンの妻」について
自己犠牲やサービスを強いる博愛精神と本能的エゴイズムの狭間で、男は、時に自嘲し時に自責する。「男には、不幸だけがあるんです」。なんとなれば、論理的にいえばどちらかを諦めなければならないこと更に言えばそんな思考自体が空虚であることも知っているのだ。

女にとっては、博愛もエゴも自分の生活を豊かにするための手段に過ぎない。"だって、矛盾していたところで生活になんの支障も来さないじゃない?"。だから「女には、幸福も不幸も無いものです」。

そんなアフォリズムが家庭に内在していることを考えてしまう弱い男と、そんなことは考えも及ばないが力強く生きる女の対称的な夫婦生活を描く、自虐的私小説。

「暗さ」ばかりではない太宰作品
この本は、「親友交歓」「トカトントン」「父」「母」「ヴィヨンの妻」「おさん」「家庭の幸福」「桜桃」と、終戦後に書かれた8編の短編から成っています。
従って、死の直前の3年間の作品群と言うことで、彼の死が予感される作品が多くなっています。
ただ、それだけではなく、非常にユーモアに富んだ作品も多く含まれています。

表題作の「ヴィヨンの妻」は、その素晴らしい表現力によって、夫妻の微妙な心情の動きが見事に表現されています。
どうしようもないところまで精神的に追い詰められている夫の弱さと、どうしようもない家庭状況にも平然と立ち向か妻の強さが、非常に対照的に描かれています。
妻の突飛な思いつきによる生活の変化が、この夫婦の生活を一変させてくれればいいなあと思います。
そう思わせるのが太宰の作品なのでしょう。

「家庭の幸福」は、官僚について書かれた作品ですが、実に皮肉でユーモアに富んだ作品になっています。
先日の衆院選で民主党が官僚支配の打破を訴えていましたが、太宰はすでに作品で官僚批判をしています。

太宰作品については、「暗い」と言うイメージが強かったのですが、今回この短編集を読んでみて、そればかりではないと言うことを実感しました。


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家なんか建てちゃう人は一度読んでみては
大谷崎が書いた日本文化論。日本人は陰翳とともに過ごし、その中で一番美しいものを作り出した、という文化論です。陰翳礼讃は今でも我々の実感として理解できる論です。なぜかしら古い話ではありますけれども、自然に谷崎の論は理解できるし納得もできる。それは本論が日本文化論のある中心を射抜いていることの証明だし、そして僕達が日本に住んで、日本でそだった証明なのであろう。それだけ普遍的な論なのであります。是非、自分の家を建てようと考えている人は一読してみるのがいいでしょう。きっとその間取りや設計に影響があるはずです。その他の論文も谷崎らしくてよろし。

以前読書雑誌に本木雅弘さんが本書を推薦していたのを思い出しました。「おくりびと」につながる道をちょっと理解した気持ちになりました。

リビングに蛍光灯
〜何でもない所に陰翳を生ぜしめて、美を創造する「日本人」、はいつから変わってしまった
のだろうか。いつから部屋を煌々と照らし出す癖が身についのだろう。しばらく本書を読み
進めると〜欧州の都市に比べると東京や大阪の夜は格段に明るい〜と記されているが、陰翳
を尊ぶ「日本人」が何故現在(昭和8年)変わってしまったかの考察は全くない。ただ昔の作者の
記憶の中にある暗闇を懐かしがっているだけである。 昨今やっと日本も間接照明という
輸入観念で陰翳が復活?したようだが、ちょっと前まではリビングを青白い蛍光灯で煌々と照らす
という暴挙がまかり通っていた。欧米の居室の陰翳、光の使い方こそ谷崎が求めていたもの
ではなかろうか?
〜暗がりの中に美を求める傾向が、東洋人にのみ強いのは何故であろうか〜と書いているが
本当に日本人、東洋人だけが暗闇を尊んでいたのだろうか。そんなに尊んでいたのならそんな
にあっさりとその美を捨て去ることができるだろうか。蝋燭の灯りだけで撮った映画「バリー・リンドン」
を谷崎は勿論知らない。

今こそ読まれるべき本
 日本の夜は明るすぎる、と谷崎潤一郎が『陰翳礼賛』で嘆いたのは昭和8年のことだ。現代と比べたらさぞ暗かったろうと思われる時代である。
 谷崎は単に明るすぎるのを嫌ったわけではない。ロウソクなどの柔らかな灯と、それがつくる陰が日本の文化であり、その文化が消えていく(あるいは変質する)のを憂えたのだ。
もっと言うならば、谷崎は灯火を暗喩に用いて、西洋文明を無条件に導入してきた日本人のあり方を疑問視しているのである。
 「谷崎は実際には明るい家をつくった」などと的外れなことを述べて得意がっている輩がいるが、自分の知性の低さを公表しているようなものだ。

デザイン関係者必読
谷崎潤一郎による戦前の名エッセイ。
日本人の根底にある美意識を、当時急速に日本に浸透しつつあった西洋文化と比較する
ことで見事にあぶりだしています。

デザイン関連の何冊かの本で、陰翳礼讃のことが絶賛されていたので読みました。
最近読んだ本では「デザインの深読み(坂井直樹)」と「商いデザイン(永井資久)」、
これら以外にも昔読んだデザイン関連本の中にも陰翳礼讃のことが書かれていた記憶が
あります。

「デザインの深読み(坂井直樹)」によれば、陰翳礼讃は今や世界のプロダクトデザイナー
の愛読書になっているのに、日本のデザイナーでこの本を読んでいるのは年配者ばかりで
将来がやや不安だ、とのこと。
全く同感です。

70年以上も前に書かれたこの本がいまだに読まれ続けている、しかも世界中で。
この一点を持ってして、この本の秀逸さがわかっていただけると思います。
しかも読んでいて単純に面白く、とても読みやすいというのも素晴らしい。
それも、長く読まれ続けている理由の一つだとと思います。

日本の文化・美意識の素晴らしさを改めて教えてくれたこの本に、感謝です。

日本人として
高校の頃、国語の教科書に掲載されており、それを見てすぐに書店に走った覚えがあります。が、あろうことか無くしてしまった為、再度購入。この作品はもう何回も拝読していますが、その度に日本の美の奥深さを感じます。日本人ならば一度は読む価値のある一冊だと思っています。


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人間失格 (集英社文庫)

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人間失格 (集英社文庫) by 太宰 治 価格: ¥ 270
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自分の人生は誰にとっても文学の糧であるとしたら
自分の人生は誰にとっても文学の糧であるとしたら、それを売り渡すことは職業作家としては限界か、あるいはスタート地点だ。大江健三郎の「個人的な体験」は自分を切り売りしながらもある水準で達観し、突き放している。そのスタンスを守りながら大江はいつまでも描き続けられるのだろう。太宰にはそれができなくなり、全てを手放して絶命したのだと思えた。
太宰もここまで売り渡す自分を、自分に近しく描かなければ、もう少し延命できたのではないか。この作品の先に大きな作品を物することができたのではないか。独白の文体で誰もが知っている己の人生を語れば、それはもう文学ではない。スキャンダルのセット販売だ。しかし、独白で書かれる事で読者一人一人に打ち明け話をする作家の姿が耳元にたたずむとなれば、十分な効果を上げていると言える。その手の話が人間は好きなのだという下世話な計算があったとしたら、なにもここまで自分のことを書く必要はなかったであろう。太宰は自分と作品を切り離せなかったのだ。
ストーリー展開の陳腐さが、現実ゆえに許されている。覗き見、偶然、立ち聞き、打ち明け話など、実体験ではどれだけ起こりうるものだろう。そうしたもので狂言が回される文学はメロドラマに堕してしまうか、あるいは現実の都合の良い断片の収集だ。
独白の文体は危険だ。読者と親密な関係を築ける反面、作家を信用しない読者は過剰に拒絶するだろう。『僕は本当はこんな人間なんです。』という会話は、親しい友人との間ではまずしない。しているとしたら、その人とは親しくない。あるいは場末のバーで偶然隣り合った他人同士が眠れない退屈な時間を埋めるために、語るほどの教養も無く、最後の、最安値の話題を切り売りする口調だ。
この作品のすごさはそこまで堕ち切った自分を、堕ちるままに描ききったことにある。
だとすれば最初と最後の写真のエピソードは潔いとは感じられない。それとも、そこだけでかろうじて文学の体裁を保っているとも言えるだろう。

買いやすかった
小畑さんが描かれたの表紙のオカゲで、なかなか普段は気になっても手を出さなかった「人間失格」を購入しました。

正直今までのような文字だけだとか、誰か分からない人の写真だとか、太宰さん自身でも古く感じて、手に取った覚えもありませんでした。

良いキッカケとなり、タイトルと一部の文章を知り何となく内容を知り…曖昧なモノが剥がれ、それ以上に作品がズシンと響きました。

表紙には賛否両論ではあると思いますが、なかなか手を出さない年齢層や人々に取っては嬉しいかと思います。

廃れて行くよりも、興味も持って触れる事が大切だと思います。

まぁ、仕方ない
表紙が今時の漫画家に頼むのは仕方ないことだろう
基本的に若者はそうでもしないと小説読まないし
まぁ、表紙的にですノートにしか見えないのは難点ですが

まぁ、地獄変よりはマシですよ

自社への皮肉もあるのだろうか

名作【人間失格】にDEATH NOTEの小畑を表紙に起用した。

これは「こういう商売やってる自分達は人間失格。ひいては製本に関わった人間は皆人間失格なのだ」と言ってるような気がしてならない。


ひねくれた考えだが、私にはそう捉えられた。

価値ある一冊
恥の多い生涯を送ってきました。
で始まり、
神様みたいないい子でした。
で終わる「人間失格」というこの作品。

繊細な主人公の人生。
酒と薬でぼろぼろになった目にはどんな風景がうつっていたのだろうと思います。

生きることに真面目なあまり、生きようとして耐え切れず、酒を飲み薬をうってしまう。
色々な女のヒモのような生活を送りながらも、人の幸福を壊すことをおそれる主人公は、ふと目にした詩にさえ、動揺したり、共感したりします。

神に問う。信頼は罪なりや。
神に問う。無垢の信頼心は罪なりや。
神に問う。無抵抗は罪なりや。

苦しみ、もがいて、そして最後に主人公に言わせる言葉。
「ただいっさいは過ぎてゆきます」

太宰治という人の目にうつる風景はどんなものだったのだろう。
繊細な彼に触れられる、傑作だと思いました。


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『人間失格』を読む
青森
表紙にだまされるなよ!?
失恋したので、読んだ本
集英社文庫(ナツイチ:2008夏の一冊:若人向け)
集英社文庫
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いい例文集
全500のフレーズが例文の形で掲載されている。
よく練られた例文だと思う。
TOEICに出てきそうなフレーズがずらりと並んでいる。
しかも音感的に覚えやすいように作られているように感じた。
ただし、単語や文法的な解説は一切ない。
対象となるのは、例文形式でTOEICで問われるエッセンスを確認したい人のみに限られてしまうのが難点か。

習うより慣れろ、ですね
皆さんのレビューを参考にして、購入しました。 
本書の中身を実際に見て、皆さんのコメントが
恐らく各自のレベルに応じた感想になっていて、
どのコメントも間違っていないと思いました。

本書は「習うより慣れろ」で、カギとなる
フレーズを繰り返して読み・聞いて、同様の
フレーズに出会った時に、意識して考えずとも、
反射的に理解する感覚を養うのに適していると
思います。

その他内容については他の方々のコメントで言い
尽くされていますが、敢えて付け加えるとすれば、
付属のCDは、本文の例文が順番に米語発音、
英語発音で交互に、つまり最初の例文が米語発音で、
次の例文が英語発音で、というように収録されて
いますが、欲をいえば、一つの例文について
米語と英語の両方の発音で収録してあれば、
正に言うことなし!なのですが。

なお、表紙のデザインを気にされている方が
いらっしゃいますが、本書の表紙のデザインが、
昔のアルク刊「起きてから寝るまで表現550」
(本&カセットテープ)に似ていたので、
最初私はてっきり本書もアルクの本かと思いました。
本の装丁デザインを同じ方がされたのでは
ないでしょうか。蛇足ながら、現行の「起きて〜」
(本&CD)の表紙は全く違うものになっているようです。
それにしても、カセットテープ版だなんて、
私の年代がバレちゃいそうですね。

いいですね
はじめに本を見ないでCDを聞いていたら何て言っているのか聞き取れない例文が
多数ありました。本を開けてみると平易な表現が多く、自分のヒアリング力のなさ
を痛感しました。TOEICの点数が頭打ちになって3年、いろいろな教材を試してみた
のですが、良書のひとつです。
・例文の説明がほとんどついていない
・質問文の回答例があったらよかった
等つかいはじめて不満に思うことはありました。しかし、これらは余計なものと
して本書から削除されているようです。反復練習用の教材です。

TOEIC の効率的学習に最適!
2005/09/09 から再版を重ねること第五刷,売れている理由はそれなりにあると思います.本書籍で勉強して TOEIC で何点取れるかはこれから試してみたいと思いますが,CDを合わせた効率的な学習ができる点は評価できます.単に練習問題を解くパターンの勉強方法にこの書籍を用いた勉強方法を加えると,学習の質は上がると思います.まずはこの書籍に取り上げられたキーフレーズを一通り覚えれば(ヒアリングも含めて),600点以上は採れるのではないでしょうか?

覚えるまで何百回も繰り返して630→880に!
TOEIC630点の時この本購入して
例文500個を覚えるまで
ひたすら何百回も黙読・音読・聞取・書取しました。
(それプラスTOEICの問題演習を2000問ほどやりました)
その結果約1年間で880点にまでなりました。

この本はTOEIC対策のエッセンスが凝縮されてますので
覚えるくらいまでやるとものすごく力がつきます!
あれこれやるよりこれ1冊ひたすらやることをお薦めします。


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これでTOEIC 965点!
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ロートレック荘事件 (新潮文庫)

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だまされました
重樹が8歳の時だった。
滑り台で遊んでいたときに、スロープの中程から足で突き飛ばされ脊髄を損傷した。
その後、歩けるようにはなったが、重樹はロートレックのような容姿になった。
青年になった重樹は、昔暮らしたロートレック荘を訪問し、バカンスを過ごすことになった。
別荘の持ち主の友人達が集う、その敷地内で連続殺人事件が始まった。

昨年「イニシエーションラブ」を読んでからミステリーの叙述トリックに興味を持ち、評判が良いこの作品を読んでみた。
最後の方で、犯人がわかってからは正直ダレ気味になる。
そこまで詳しくやらなくても、犯人わかってるんだし。
それが、またしても最後の最後にヤラれてしまうのである。
エェーッと声が出てしまった。
なんだよこの本は。
しかし、ずるいな。

でもミステリーは本当に素敵だ。

つまらない・・・
ロートレック荘と呼ばれる別荘で、一人また一人と殺されていく。犯人は
ロートレック荘の中にいる!いったい誰が?なぜ?銃声とともに始まった
惨劇の結末は?

私が読んだのは単行本だが、読んでみて表紙に書かれていた「映像化不能。
前人未到の言語トリック。」という意味がよく分かった。読み手は、知らず
知らずのうちに思い込まされていた。こういうふうに、思い込まされて
だまされたという本は他にもある。乾くるみの「イニシエーション・ラブ」と
歌野晶午の「葉桜の季節に君を想うということ」だ。「イニシエーション・
ラブ」の方は、見事にだまされたという爽快感のようなものがあった。
「葉桜の・・・」の方は、こういうトリックはありなのかと少々疑問に感じる
部分があった。けれど、どちらも読み返すのが楽しかった。だがこの作品は、
ただ確認するためにだけページをさかのぼる・・・そんな感じでつまらなかった。
本の表紙には「この作品は二度楽しめます。」とも書いてたあったのだが、
疑問だ。読後もすっきりとはせず、はっきり言って満足できる作品ではなかった。

なるほど!
筒井康隆が○○トリックに挑戦すると、こうなるのか!
まさに、タイトルからトリックははじまっていたのですね。
画家のロートレック、この人のプロフィールをあらかじめ知っていると、さらに楽しめると思います。
それにしても、再度読み返して、筒井康隆の超絶技巧に唸りが止まりませんでした。

大胆かつ繊細なこれだけの大トリックを考え出した筒井康隆を、素直に絶賛したい
私は、これまでに、七瀬シリーズを始めとした8作の筒井作品を読んできたのだが、その中で最も良いと思ったのが、どういうわけか、彼の専門外であるはずの、このミステリ小説なのだ。 

私も、一応は、海外物を中心に、世で名作といわれているミステリ小説は結構読んでいるのだが、この作品は、そうした名作群の中に置いても、決して引けを取らないだけの作品であると思うだけでなく、本職のミステリ作家では書けない(書かない)類いの作品でもあると思う。 

本作のようなトリックを使った作品は、本職のミステリ作家も書いていることは書いているのだが、本職のミステリ作家だと、もっと別のテクニックも併用しているもので、これほど一つのトリックに徹底した作品は、いかにもミステリの専門外の作家らしいと思うのだ。もちろん、これは、決してけなしていっているのではなく、私は、大向こうを唸らすだけの、大胆かつ繊細な素晴らしい大トリックと絶賛していいと思っている。一部には、当然、アンフェアだという意見も出てくるだろうが、トリックを知ったうえで全文を読み直してみても、破綻は全く来していないし、それ以上に、そんな理屈を抜きにして、これだけのトリックを考え出した筒井康隆を素直に絶賛し、見事に騙されたという気持ち良い爽快感を味わった方がいいと思う。 

もう一つありがたかったのが、ページ数がわずか214ページで、ストレスを全く感じることなく読めたことだ。これは、どういうことかというと、本職のミステリ作家の長編ミステリは、しばしば、ページ数を稼ぐために、あの手この手を使って解決を先延ばしにして、読者をいらいらさせることが多いのに対し、この作品は、そうした姑息な手法を全く使っておらず、すらすらと、一気に読めてしまうということなのだ。 

この作品は、私の手元の本で9刷と、それほど部数は伸びていないようなのだが、もっともっと読まれてもいい作品だと思う。 

緻密に計算された文章こそがトリック
筒井氏によるこの作品は、ミステリーとしてカテゴライズされる。
しかしながら、この場合は懐疑的な姿勢より文学を耽読するような姿勢で臨まれることを推奨する。

総てを理解した後、再び最初から最後まで懐疑的に読むことは非常に有意味な作業だが、まずは素直にゆっくりと読み進めてほしい。

私は当初、本作をミステリーを読む姿勢で臨んだのだが、真相が明らかになるにつれてトリックや謎についてはどうでもよくなってしまった。

心情の機微がひしひしと伝わってくるのだ。特に、典子と二人きりで語りあうシーンは作中最も秀逸なシーンであり切なさに心が痛む。総てを了解した後では一層……

一字一句がトリックでもあり、文学でもある。この素晴らしさを読んで感じてほしい。


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太陽を曳く馬〈上〉

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Customer Reviews:
まず直感で読む本
芸術論、宗教論と難しいことが展開されそうな書評に惑わされず、ぜひ読んで欲しい作品です。
高村作品としてはかなり平易な文章です。時に砕けすぎて、これまでの高村節に慣れていた人はかえって戸惑うほどでしょう。
芸術にしても宗教にしても、生きた人間が繰り出す会話、セリフで構成されているので活き活きしています。動機なき殺人、9・11、そういったことがらもよく知る合田の視線から語られるのでいわずもがな。
彼女らしく、ささいな脇役に見える人物にまで人格がしっかり描かれています。一見没個性の現代人を象徴するかのような若者でさえ。
問題提起を多く内包しつつも、言葉で分かり合うことを重視するがゆえわかりやすい文章で、かつ高村氏らしい魅力的な人物描写なのですから、読まないのはもったいない。

確かに、一読で理解できる物語ではない。だからこそ、何度も繰り返し読む、発見する楽しさがある。
扱うテーマは重いのに、くすりと笑ってしまうようなコミカルな挿話もぽちぽちと。リズミカルに読み勧められます。

先述のとおり、問題提起はなされていますが、回答はありません。読者が各々導き出すのです。読者に考えさせ、参加させる引力があります。
合田の人間くささとともに作中に漂う彰之の掴みどころのない不思議に温かい眼差し、そんなものを感じながら現代社会について真摯に向き合う機会として読んでみてほしいです。

晴子情歌、新リア王は、根底に流れる一本の川のように脈々とつながりがあり、未読の方はまずこちらから順に読まれることをお薦めします。

理解しがたい対象への接近
一般的な人間には理解しがたい対象、即ち現代芸術(抽象画)・動機不明の殺人・宗教に対して、どのように向き合うのかというテーマが真ん中に据えられています。これらの対象に合田雄一郎の眼を通じて深く、そう、沈み込むほどに深く入り込んでいくのですが、上巻の主要人物・福澤秋道の芸術と殺人、下巻の末永青年の死を契機に言葉が尽くされる宗教論(特に、オウムと古代インド宗教、禅宗との対比と本質論)に、入り込むというよりは埋め尽くされてしまう感覚が体を離れません。合田雄一郎も40を過ぎ、過去の作品に見られた表出する情熱は影を潜め、警察官という仕事や離婚した相手とその兄に対する考え方に変化が見られ、ただでさえ孤独であった彼が、殺人を犯した秋道に対しての父・福澤彰閑の何通にもわたる手紙を読む、あるいは執拗とさえ思えるほど宗教に対しての、いわば一見しても、あるいはそれ以上によく見ても理解しがたいものに対して「なぜ」という問いを繰り返しながら近づいていく姿は、決して華やかでもなく、恵まれたというわけでもない、要するに一般的な意味で言う幸せではない彼自身の人生に対する「なぜ」という思いと重なって、腹の底からの共感を感じました。彼は求めれば求めるほど、問い続ければ問い続けるほど孤独の影を濃くしていくようです。しかし、秋道に宛てた彰閑の最後の手紙には、息子に寄せる父の思いが感じ取られ、その思いに合田雄一郎も思いを寄せる様子が想像出来て救われます。この小説は、上下巻を通して、「分かる」とか「意味が通じる」といったいわば幸福な関係が断たれたものに対する接近を描いたものであり、一般的な「意味」からの自由を求めた者たちに対するレクイエムでもあると思います。日本では珍しい形而上学小説であるのと同時に、理解しがたいものが本当に我々の間近で頻発する現代への高村薫自身の向き合い方を表明した作品です。そして、立ち尽くしては内省し、問い続けては立ちすくみながら、今までとは違う何かを手にしたであろう合田雄一郎がこれから何処へ行くのか、次回作が待ち遠しくなる、本当に素晴らしい作品です。

時と共に歩む
アマゾンで日本から三千円以上分の送料(円でなくユーロ)をかけて
上下巻をドイツに取り寄せ、先程きっちり上巻を読了。

高村さんと合田刑事は、世紀末と9.11をどう乗り越えたのか
への当人方からの応答なり。

「現代の若者」への高村さんの戸惑いが合田刑事を介して
描かれていて、それにしても愛は理解を超えるのでした。

高村さんは勿論合田刑事を愛しながら創っているし、
変わり行く時代も、同じように捉えようとしているように見えました。

大体、日本から遠く離れても、これを読める事、更に高村さんと
同時代に生きている日本人だから、隅々まで読解出来る事、
これらがわたしの人生の幸せでなくして何であろうということを実感してますよ。

今回ドイツは二度目に来ていますが、一度目は、9.11寸前で、
その直前の世紀末には日本に居ましたし、状況を理解しながら
躍動感と共に読めました。

合田シリーズは、『マークスの山』で躍り出て、「昭和51年秋」に
事件の幕を切って落としているわけだけれど、合田刑事と別れた元妻が、
今回ちょうどあの崩壊したビルに居る設定に出来た辺り、
合田シリーズは、世の流れも味方にしている強運振りです。

ロスコの「空」には、まだ「色」がある
・・・これは読む「修行」かもしれない。
 
NHK教育テレビで、マーク・ロスコの抽象的絵画とともに紹介された本書を、うっかり読み始めてしまった。上巻では芸術論が語られる。猟奇的殺人事件が起きた部屋で引かれた直線や色が、衰えかけた私の右脳を刺激する。何を意味するのか? いくつもの線のように証言が重なりつつ犯人の真意が浮かび上がろうとするが、描けない私はバーミリオン色の血の池地獄で溺れていく。

 そして下巻、都会のビルの中の寺、修行僧の不可解な事故死。延々と語られる宗教的な解釈、禅とヨガあるいはオウムの教義がどこがどうだったのかと。膨大な言葉を尽してそそりたつ壁は、まるでロスコのキャンバスそのもの。不本意ながらも私は、議論の中へ取り込まれることになる。混沌の私の左脳は、天上界のような論理の中で、下から上から表から裏から過去から現在から、”半眼”で時空を超えて、しかし、トボトボと彷徨う。

本を閉じた私に、ロスコの絵・・・これはもしやマンダラ?

 高村さん! ロスコの絵のような小説を書きたいとTVで言っていたあなたの試みはみごと成功したと思います。でも私は「座禅」よりも「行脚」が好き。言葉よりも感覚、感覚より実感の方が快い。突き抜けて良寛さんのようになった合田刑事に会ってみたいと思います。

あれの1割も売れないだろうけど
4年ぶりの長編、上下巻、新潮社、オウム事件、宗教、芸術、そして社会問題にひるまず発言する作者、
という共通項を持つ「1Q84」が大ヒットを飛ばす中で刊行された新作ですが、二つの作品を続けて読み終えて、もともとある両者の違い以上に大きく異なる印象を持ちました。
いつまでも若者の立場にあろうとするものと、生きて老いることを引き受けたもの、という。

12年ぶりの合田雄一郎は世渡りを意識し、若い部下に舌打ちし、一言でいえば「おっさん」化して、笑いを誘います。
笑っていいんだよね?と戸惑い、文章そのものも昔よりはるかに読みやすくなっているため、自分は今までずいぶん誤解していたのかもと思ったりしました。
でも、合田の本質は変わっていませんでしたが。
特質や欠点や未熟さを抱えたまま、人は老い、同じ位置に立っていても周りの変化によって立場が変わってくる。
かっこ悪くなった合田には今までにない共感を覚えました。

しかし、そんな合田の姿をかき消すほど強い印象を残したのは、下巻の最後の最後。
福澤彰之が獄中の息子秋道にあてた数通の手紙と、その中に登場する西瓜をぶら下げた老人の姿でした。
どれほど知識を学び、修行しても、あるいは痴呆になっても、なお消えることのない子供への思い。
その切なさと温かさは、老いて見苦しく生きる現実を引き受けたものにだけ伝わります。
その前には、それまで芸術や宗教をめぐって膨大に語られた言葉すべてが薄っぺらく消えていきます。
その爽快さと感動を味わうためにも、延々続く芸術論とその数倍の量がある宗教論、流し読みでいいですから飛ばさずに、と言いたいですね。

一応星は4つ付けましたが、古くからの読者なら星5つの価値があろうかと思います。


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またも立ちすくみました。
前作「新リア王」同様、現代を見つめる作者の深い思索と、その結果としてある焦燥感に圧倒されました。
前作に続いての仏教論には、知識がついていかず悪戦苦闘しながらも、国内ではオウム、海外では9.11を経ても尚、混沌を深める時代に「生と死」「殺すという事」を真摯に追求する作者の姿勢に共感します。
この本が「1Q84」のように売れる事はないだろうし、すでに孤高とも言える存在になったかの作者だけど、お粗末な理解力を集中してでも読み続ける価値のある作品だと思います。
刑事合田の葛藤と巻末の福澤彰之の愛憎に、絶望とともに微かな救いを感じさせられました。

高村薫の三部作の感動的な完結編
 20世紀を貫いて21世紀に至る壮大な三部作サーガついに完結。本作も、現代美術、死刑、宗教に挑む高村薫の執念と信念が結実した傑作。

 圧巻は「オウム真理教を宗教と認め得るか?」という討論。「あんな太ったグルはおりません」という言葉は痛快だが、そこに至るまでの、道元、マックス・ウェーバー、インド哲学を駆使した法論にはただただ感服の一言。「1Q84」に於いて同じオウム真理教を扱った村上春樹が「物語の力」を信じているのであれば、高村薫女史は「問い続ける近代的批判精神」を信じているのだろう。直観が必要な現代美術や神秘体験の抽象化が必要な宗教的世界の存在を認めた上で敢えて人は問い続けていかなければならないのだという覚悟の重さがそのまま本作の重厚さなのだと思う。

 そして最終章、彰之の手紙は「晴子情歌」冒頭へと回帰する。少女の晴子が見た七里長濱の情景。境界も定まらぬ空と海と砂嵐の入り混じった白明の中、砂丘を渡る清々とした風の音、そして行きずりの雲水たちが唱えてくれた四弘誓願の声と持鈴の音が聞こえてくるような感動的な完結である。

 決して読み易い小説ではないが、合田雄一郎も帰ってきたし、「新リア王」で離れてしまった高村ファンにも読んでいただきたい。


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死に対する真摯な姿勢
最近読んだ小説で、これほど完成度の高いものはないと思います。

主人公は、事故や事件で亡くなった人たちの現場を訪ね、亡くなった方がどんな人を愛していたか、
どんな人たちから愛されていたか、そしてどんなことで感謝されていたか、という情報を集め、
それを胸に亡くなった方を彼独特の方法で悼む旅をしています。何年も。

当然、彼に出会った人たちは「なんでそんなこと?」「意味ないじゃん」「自己満足?」という疑問に
さいなまれ、しばしば批難します。と同時に、彼の悼みに感謝する人たちも存在します。
人々は彼の存在で自分の価値観を揺さぶられ、同時に惹きつけられていきます…

「なんでそんな無駄なことを?」という私自身も抱いた疑問も、読み進めるうちに静かに
心のうちに沈んでいきます。
これ以上に死に対して真摯な小説、真摯な人がいるだろうか…と、感じました。

何が彼を創作に向かわせるのだろうか
 彼の作品を読む時、いつも思うのは、「何が、彼をして、この作品を書かせたのだろうか」と言うことだ。
 主人公を作家本人に重ねるのは失礼かも知れないが、主人公が語る「他者を思いやる余りに自分を殺してしまいそうになったが、母親の言葉で思い直して自分と死者の距離を置いて客観的になることができた」と言うプロセスが作家本人にもあったのではないだろうか。
 知られているように寡作の作家であり、その産みの苦しみは本書の謝辞にも詳しい。自分の頭の中の想いが形あるものに変わっていく過程、それが研ぎ澄まされて無駄なものが省かれていく過程、そしてそれを抱えきれなくなりそうになりながら、文章として固定して精神的なバランスを取っていく過程。それほどの苦行をなぜ選ぶのだろうか、問いかけたくなる。回答は、常に彼の作品のなかにあると思うのだが。
 新作が出るたびに、やはり読まずに入られない作家だ。

そういう考え方もある。
偽善者。

世界は変わらない。あなたがいいことをしているって感じるだけ。ただの自己満足でしょ?

街中で募金をする人を偽善者と呼ぶ人もいる。

けれど他者のため何もせずとおりすぎる人が、少しのお金でも自分のものを他者に渡そうとする人間をそのように蔑むのはやはりおかしいように思う。

静人の行為は、人に偽善とよばれてもしかたないと思う。

けれど、人のために祈らないではいられない・・・。そんな人がいてもいいのかもしれない。

巡子の死に様は美しい。こんなふうに死ねたらと思うが、人が死をむかえるときはもっと綺麗ごとではないように思う。



自分が幼いからか

途中で気分が悪くなり、とばし読みをしました。静人の、新聞の死亡記事を元に、亡くなった人を悼む理由がわかりませんし、静人の残された家族のほうに感情移入できました。また、ルポライターの話はまだしも、だんなを殺した女性と相手のやりとりも理解できませんでした。殺してほしかった理由も重くてなんだかよくわかりませんし、期待していましたが思っていた内容とは違いました。

多数の方が良いと感じる作品が、必ずしも自分にとってそうではないのだと痛感した作品です。

買ったのは早かった・・・しかし。
そう、この本を手にしたのは賞を得るよりずっと前だったが
なかなか目を通せずにいた。
私の中では、到底終わっていないもろもろの悲しい事件・事故
ー何の落ち度もない命が、いとも無造作に簡単に、奪い去られていく現実ー
が頭の中を飛び回り、整理をつけられなかったから。


やっと手にして重い気持ちで読み始めたのがごく最近。
読み進むにつれ、ネット世界の怖さをまず思い知った。
それから、幼いころの、小鳥に対する主人公の気持ちに泣いた。
個人的には、ほかのエピソードはともかく、なんらの欲得をも求めないいたいけな小鳥に対しての
彼の純粋な一途な心持に泣いた。
つい最近大切なペットを亡くした私には、
あのつぶらな黒い瞳をいつまでも覚えていてあげたい・・・
その気持ちだけで、この小説のテーマは語りつくされた、と思った。


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地デジテレビ: 潮風
かつての昆虫少年が台湾の高山を縦横無尽に駆け巡る台湾山岳文学の最高峰。類い希な情熱と卓越した直観力と行動力、そして人と自然に対する優しい眼差しと豊かな感受性に彩られた山岳文学の名著。 ☆台湾どころか、私の読んだ山岳紀行文中で一番 .... 明治39 年、単身北海道へ渡った著者は平取にてユーカラと出会い、金田一アイヌ学は始まった。樺太、北海道で、ユーカラの世界の人々との心暖まる交流を描く、感動の随筆集。 ☆こので知里幸恵さんを知る。 ★金田一 京助: 古代蝦夷とアイヌ―金田一京助の世界2 ...
http://seizan.cocolog-izu.com/blog/2009/11/post-f88b.html

反復・省略・引用・朗読 蜜柑草紙/ウェブリブログ
ドフトエフスキーの『分身』を引き合いにして話していました。 「おまえじゃない」という言葉の反復が、コンテクストや話者によって異なるものへと変貌していく。 ボルヘスの『ドン・キホーテの著者、ピエール・メナール』もまた同じ。 ドゥルーズの『差異と 反復』 ... 最後の人は一番若くて、ボルヘスと現代の日本文学、世界文学について。 その人曰く、まず、19世紀の文学は全体性を志向していた、と。 全体性とはつまり、一個一個の作品で世界を表現しようとすること。 ゾラやバルザックとかがそうだ、と。 ...
http://orange-memo.at.webry.info/200910/article_4.html
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