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沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)

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Customer Reviews:
映画が先か、本が先か、どちらでもだいじょうぶ
 昨日公開となった映画を見た。原作を読んでから映画を見るとがっかりするとよく言われるが、
よく出来た映画だった。だからと言って映画を見て筋を知ってしまうと本がおもしろくなくなる
かというとそういうこともない。むしろ3時間超と映画としては長いとはいえ、文庫本で5巻と
いう長い小説ではどうしても取捨選択してはしょわらずを得ないので、映画を見てから読むと映画
で描写できなかったディテールが分かり、面白さが増す。
 この本で扱った航空会社は政権交代もありほぼ公的資金注入が決まった。本と映画で描かれた
官的体質のゆえである。映画制作の構想・企画は政府による再生が明らかとなる前であったはずだ。
その時機を得た先見性には脱帽だが、10年も前にそれを見越したような予見を内包したこの本は
すばらしいという言葉を超越している。山崎豊子おそるべしとしか言いようがない。映画と本、
双方お勧めですが、映画にはハンカチが必携です。
 「白い巨塔」で育った者の読後感です。
by 左門 新
 三つ星レストランには、なぜ女性シェフがいないのか
 女はなぜ素肌にセーターを着れるのか
 


JAL再建なるか?
「御巣鷹山編」単独でも読み応え十分で、凄惨さの描写はインパクトがあります。JAL再建について昨今騒いでいますが、他の巻を含め読むと、考えさせられるものがあります(どこまでがフィクションで、何がノンフィクションなのか?が分かりませんが)。

「会長室編」へのプロローグ
山崎豊子氏による、日航機の墜落事故をモチーフにした限りなくノンフィクションに近いフィクション。

前編である「アフリカ編」とはうってかわり、御巣鷹山での日航機墜落事故を軸に物語は進行する。
遺族の悲しみと戦い、企業の腐敗。
事故を取り巻き、様々な立場に置かれた人々による群像劇でもある。
恩地もその中の一人として描かれているといった印象を受けた。
また、前編「アフリカ編」と本編は、併せて「会長室編」へと続く、壮大なプロローグと言ってもいいかも知れない。

あの夏に起きた、前例の無い壮絶な事故。
これを風化させてはならず、本作が「語り部」としての役割を担ってくれればと願う。

こんなサラリーマン人生で正気でいられるはずがない。
アフリカ含め10年の島流し。で、帰ってきたら未曾有の墜落事故の遺族世話係・・・。
この小説のモデルとなる某航空会社は就職人気ランキングで常に上位ですが、この小説を
読むと自分の子供を入れたいとは絶対に思いませんね。主人公・恩地には実在のモデルが
いるというのもビックリですが、この本の映画化にその会社が大反対したというエピソード
も何となく頷けます。あの暑かった夏、TVも新聞も毎日このニュースばかり。そんな日々
が眼前にまた蘇るような、生々しくかつテンポのよいストーリー展開。アフリカ編同様、
あっという間に読了しました。

涙なくして読むことができない
 事故当時、中学生でしたが、この墜落事故は鮮やかに覚えています。この御巣鷹山篇の冒頭の管制室の緊迫したやりとりで、当時の記憶がよみがえってきました。乗客の、家族の、救援者の、そして管制室の、事故にかかわってその無事を思った人すべての無念と、絶望を思うと、想像を絶します。また、被害者への応対についても、あまりにも家族の気持ちを踏みにじる補償の進め方に、憤慨しました。関係者の無念、家族を失ったことの空虚な思い、こういったことに想いを馳せると、読んでいて涙が止まりませんでした。
 前篇でアフリカから呼び戻され、幸福の兆しが垣間見えたかに思えた主人公の恩地もまた、この事故にかかわります。一度狂った歯車が、狂い続けている状況に直面し、読者の私もやるせない気持ちになりました。作品中では、一企業がここまで執拗に一個人に対して報復をするのかという調子で書かれていますが、恩地の扱いが永田町でも話題だと書かれていた文章を見逃すことができませんでした。つまりは、企業のみならず、一国家が恩地に対する攻撃を後押ししていたということです。ふとしたきっかけで職責を果たしたばかりに「アカ」のレッテルを貼られ、一企業どころか、国家からこうも攻撃されるという理不尽が許されていいものかと感じました。
 まだ、3篇目までを読んだところですが、企業の社会責任とは何なのか?多面的に考えさせられます。


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トルク・リングはいま何処?
最終巻までついにその正体を明らかにしない恩地元、彼の真の正体が垣間見える描写が本巻P.196からP.205にさりげなく織り込まれています、

それはナイロビに到着した恩地と税官吏のささいな衝突、しかし恩地の正体が決定的にあからさまになる衝突です、

当事の発展途上国ならば当然に横行していた税官吏の嫌がらせに怒った恩地は接収されそうなタバコをカートンごと握りつぶし、さらになんとケニヤ国の紙幣を破ってしまうのです、
紙幣/貨幣は国旗と並びどこの国でもその国家を象徴し一定の敬意をはらって接すべきものである、という通常の精神の大人であればあたりまえすぎるような価値観が恩地に欠けていることがここで明らかになるわけです、それもまさに国家の出先機関である税関で紙幣を破る行為がどれほどその国を侮辱するものであるか、説明無用と私は考えますが、恩地の世代はそんなこと考えたこともないのかもしれない、

その後の行動がさらに読者を白けさせます、
警察に連行された恩地はどうにか署長にとりいり事件化を避けるのですが、自分を空港へ送らせた警官にチップを握らせ何をさせたかはぜひ書中で確認してください、(それができるならもっとましな処世をしたらどうなんだ恩地君!)

恩地の心に巣食う沈まぬ太陽という信念は、国旗・君が代への対応で処分されたアカ教員が、これからも戦い続けます、と反省も後悔も決してしないのとおんなじことなんでしょう、

本書で描かれたような労使関係の緊張が存在するような企業/組織の現実の末路はぜひみんなで見届けましょう、

映画が先か、本が先か、どちらでもだいじょうぶ
 昨日公開となった映画を見た。原作を読んでから映画を見るとがっかりするとよく言われるが、
よく出来た映画だった。だからと言って映画を見て筋を知ってしまうと本がおもしろくなくなる
かというとそういうこともない。むしろ3時間超と映画としては長いとはいえ、文庫本で5巻と
いう長い小説ではどうしても取捨選択してはしょわらずを得ないので、映画を見てから読むと映画
で描写できなかったディテールが分かり、面白さが増す。
 この本で扱った航空会社は政権交代もありほぼ公的資金注入が決まった。本と映画で描かれた
官的体質のゆえである。映画制作の構想・企画は政府による再生が明らかとなる前であったはずだ。
その時機を得た先見性には脱帽だが、10年も前にそれを見越したような予見を内包したこの本は
すばらしいという言葉を超越している。山崎豊子おそるべしとしか言いようがない。映画と本、
双方お勧めですが、映画にはハンカチが必携です。
 「白い巨塔」で育った者の読後感です。
by 左門 新
 三つ星レストランには、なぜ女性シェフがいないのか
 女はなぜ素肌にセーターを着れるのか

沈まぬ太陽2 アフリカ編(下)
主人公に対する、執拗な会社側の理不尽な報復。これに対して、自分を信じる仲間のためにも信念を曲げず、私腹を肥やす会社側に与しない姿が感動的です。実際には、主人公のようにされることはないと思いますが、少しでも報復人事等を経験した人は勿論、そうでない人も共感できると思います。また利益一辺倒の昨今、品質安全問題にも視野に入れたこのシリーズは、時代背景にかかわらず感慨深いものがあります。

会社の非情さが赤裸々に書かれる
パキスタン、イラン、ケニアと、恩地の海外たらい回しの旅は続く。
組合の副委員長として共に闘った同期の行天は会社側に寝返り
順調に出世を重ねていく。

そんな中、1972年に国民航空の旅客機がニューデリー、ボンベイ、
モスクワと連続して事故を起こす。事故調査班として現地に派遣
された国民航空社員の苦闘が書かれる。

しかし、事故原因をパイロットのミスとする社員の考えは無視され、
会社には空港設備の不備であるとの報告が出される。また、事故
原因調査に同行したパイロットが、同じパイロット仲間を擁護する
ため、自分の目で見た事実を信じず、執拗に仮定の想像を繰り返し、
空港設備に責任を求める姿にはあきれてしまった。

このような体質が、日本航空(作中では国民航空)123便墜落事故
に繋がって行ったのではないだろうか。

やがて、恩地に日本帰国の話が出てくる。しかし、それは会社側が
折れた訳では無く、連続事故の背景に国民航空の労使関係が影響
しているのではないかと国会で追及されたからであった。会社として
は、更なる僻地へ追いやる計画もあったようだ。

家族との別れ、出世を重ねるかつての仲間、海外で一人仕事をする
孤独、日本で会社に差別されながらも頑張っている組合の仲間、様々
な思いが積み重なり、恩地は精神的に追い込まれていく。

執拗な報復人事、組合つぶし、安全軽視の体質など、会社の非情
さが赤裸々に書かれるアフリカ篇。
そして物語は運命の御巣鷹山篇へと続く。

続きが楽しみ
合員の待遇改善を目的に組合活動を活発に行ったことからアフリカに10年以上飛ばされていた主人公の恩地が組合員の働きかけでようやく帰国できるようになった。

アフリカ編(下)は読中爽快であったがその後はどうなるのか…楽しみである。

この面白さは最後まで挫折がないことは間違いない。


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沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

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Customer Reviews:
物語としては面白いが、手法に疑問
全5巻の感想です。
もともと大部分が事実をもとに作られた小説であるとの先入観があるため
私はこの小説をよくわからないまま興奮しながら読みました。

特に第三巻にある墜落事故は特に実際にあったことだけに、そして生存者などは実名ですので、
全巻を通じて何処までがフィクションでどこまでがノンフィクションなのかわからず
(それがこの作家の凄さであると思いますが)時間を忘れながら先を読み進めてしまいました。

しかし読み終わってみて冷静になって思ったのは、
これはあくまでもフィクションであるはずなのに、これを読んだ人間は、登場人物を実際の人間に当てはめて読むであろう。
そして聞くところによると実際に登場人物の多くが実際にモデルとなる人間が実在するということ。
だとすると、この物語はあまりにも善悪が偏りすぎているその怖さを禁じえません。
主人公恩地は「スーパー善人」として書かれており同情・共感の嵐。恩地の対立側は「スーパー悪人」となり世間から浴びる誹謗はこの小説の影響力を考えると想像に硬くないです。
フィクションならそれでよいでしょうが、実際に起きた大事件(墜落事故)を使っているだけに、読者の反応を想像できてあえてこのような手法を使うやり方に違和感を感じます。
あとがきに「事実を取材して小説的に再構築した人間ドラマである」と記載すればオッケーでしょうか?

さて恩地のモデルとなる人物は、日航機墜落事故に際して、遺族世話係として働いた事実は無いとのこと。
であるなら、なにか別冊のような印象を与える墜落事故編第三巻は
この前後の小説(1.2.4.5巻)と一緒にすべきではないのではないかと思います。
第三巻部部分は完全に切り離し、恩地を登場させず、事実を、取材に基づいて忠実に描くべきではなかったでしょうか。

その点でイマイチ納得ができませんので星は3つにいたします。

2巻途中で挫折
元国民・・いえ元*AL社員です。2巻目途中で挫折してしまってしばらく経っています。
なぜ挫折したか、作者には本当に感謝しています。よくぞ書いて下さったと。それは、
組合問題による、報復人事は昔も今も当たり前のように起こっているから。カンタロー
さん(恩地のモデルとなった人)のように創成期から在籍して、組織の中核にいける
人材であっても、それは逃れられないんだ、と見せつけられ社内でも伝説の様に語られ
ていました。ですから、この本の内容はごく日常で起こっている事柄なのです。そして
昨日まで、恩地ぽい人だったのに、今日からは、行天になっちゃったって事も珍しく
ありませんでした。なぜそんな会社をやめないのか、それはけっして孤独ではないから
です。そんな仕打ちにあってる人はたくさんいるから。御巣鷹の事故については、避けて
語れない為、大きく取り上げていますが、前記の組合問題とは、次元が別であると、
とらえていただきたい。あの事故は、会長、社長以下、社員全員打ちのめされました。
作品のレビューになりえていないのは、認識しておりますが、他の方のレビューを
拝見してどうしても伝えておきたかったのです。

映画が先か、本が先か、どちらでもだいじょうぶ
 昨日公開となった映画を見た。原作を読んでから映画を見るとがっかりするとよく言われるが、
よく出来た映画だった。だからと言って映画を見て筋を知ってしまうと本がおもしろくなくなる
かというとそういうこともない。むしろ3時間超と映画としては長いとはいえ、文庫本で5巻と
いう長い小説ではどうしても取捨選択してはしょわらずを得ないので、映画を見てから読むと映画
で描写できなかったディテールが分かり、面白さが増す。
 この本で扱った航空会社は政権交代もありほぼ公的資金注入が決まった。本と映画で描かれた
官的体質のゆえである。映画制作の構想・企画は政府による再生が明らかとなる前であったはずだ。
その時機を得た先見性には脱帽だが、10年も前にそれを見越したような予見を内包したこの本は
すばらしいという言葉を超越している。山崎豊子おそるべしとしか言いようがない。映画と本、双方
お勧めですが、映画にはハンカチが必携です。
 「白い巨塔」で育った者の読後感です。
by 左門 新
 三つ星レストランには、なぜ女性シェフがいないのか
 女はなぜ素肌にセーターを着れるのか
 

なんだかなぁ、
P.293にとんでもない記述があります、
脇役の一人、美人スチュワーデス三井美樹の飛んでいるという南回りヨーロッパ路線の「過酷な」勤務実態を綴った箇所です、以下本文を分かりやすく書き直します、

  羽田から香港経由でバンコクで最初の交替
  三日待機
  バンコクからカラチへ飛びここで交替
  四日間待機
  カラチからローマ・フランクフルト経由でロンドンへ
  四日間待機
  逆のコースで羽田へ帰る

のだそうです、24日間連続で拘束されるとはいえ、実際の勤務はわずか6日だけ、残り18日はなんと次の飛行機がくるのを待つだけ?の勤務で美人スチュワーデス三井美樹は復路のカラチあたりでへばりそう(本文のまま)になるのだそうです、搭乗している六日にしても24時間勤務でないことは指摘するまでもないでしょう、カラチはともかくバンコクで六日、ロンドンで四日も待機できるなんてまるで夢のようです、

いやはやなんとも、今のCAが聞いたら腰を抜かしそうなのんきな勤務実態でしょう、この予定でいいのなら他の用事をサボっても私も1年に一回くらい無給で搭乗してもいいなぁ、まだ飛行機の数が少なかった昭和の時代、南の島のリゾート地での待機が1週間だったなどという夢のような事実も伝わっています、なんだかなぁ、

どこがいいのかわからない。
善良な主人公が善であるがゆえに延々と酷い目にあうという構図がこれでもかと繰り返されるのですが、
非常にわかりやすい善と悪の図式がドグマとして動かしがたく存在しているため、
作品として非常に窮屈・不自由であるように感じました。

そのようなものだとわきまえて読むべきものなのかもしれませんが。

だったら小説にする必要性はあるのかという根本的な疑問が残ります。


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1Q84 BOOK 1

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彼岸と此岸
春樹さんの本は20年来翻訳も含めてほぼ読了しました。
今回の新作、とても楽しみに手にした次第です。

さて、このBOOK 1。
いい点・残念な点が混在しているように感じます。

いい点
春樹さんらしい読みやすい文章。ご本人がいうところの「文体力」がさすが!
青豆の奔放なキャラクターとその描写で読み進めさせる点。

残念な点
春樹さん永遠のテーマである「彼岸と此岸」の描き方が浅い? 整理されすぎ?

残念な点については、どうしても『世界の終りと〜』や『ねじまき鳥〜』の
重厚感(あるいは整理されてない感)と比較してしまいたくなっただけかもしれません。


彼岸と此岸が本書では「青豆」章と「天吾」章、
「教団側」と「老婦人側」など複層的なのはわかりますが…。

ただ、村上春樹ファンを喜ばせる種があちこちにまいてあるのはやはりうれしかったです。

がっかり
今まで読んだ村上春樹の中で、一番がっかりかなぁ。
読み始めはとってもおもしろく、後半は失速する一方。

構成からどうしても「世界の終わり〜」と比べることになるけれど
比較にならないほど「世界の終わり〜」がおもしろかった。
話がどんどんどんどん膨らみ過ぎて、いつの間にかほったらかしにされる事象が多く、
結局「なんだ、この程度の厚みだったの?」という感じ。
今までの村上春樹に免じて、続編に少しだけ期待することにします。

真実の愛を見つけたとき、人は・・・
これが自身の 初、村上作品で これが村上春樹ワールドかぁ、という気分です。
メインテーマから外れるかも知れませんが、読書後、わたしの中に残ったものをレビューします。

男女ふたりの主人公はそれぞれ、世間一般の人は縁がないような
過去や職業、日常を抱えて生きる、希有の人です。

でもふたりが希有の人である理由は、そんな表面上のことではないと思います。
10歳のころ、ふたりが手を握り合ったとき――

青豆は、天吾の心か身体の一部を持って行ってしまった。
そしてそのかわりに、彼女は自分の一部を彼の中に残していった。
ほんのみじかい間の、たいせつなやりとり。(一部文中抜粋しつつ・・)

真実の愛、というと非常に安っぽいですが、
このやりとりがその後のふたりの人生に無意識に、でも強く強く影響しています。
一見、刹那の快楽に酔いつつ、自分への関心もなくただ生かされているように思える二人。
でも奥底には真実の愛であり、生に支配されているからこそなのです。

その人でないとだめ、その人以外は本当には愛せない。
孤独が付きまとう生き方ですが、そんな愛を見つけた人は、本当に幸せで、無敵なのでは、と思いました。
だからふたりは、別々の道を歩いていながらも強く生きられるのです。
世の中に、何人、こんな愛を見つけられる人がいるものか・・・。

(恋愛に限ったことではないですが)小手先の愛情ごっこに惑わされることなく、
少しでも、青豆と天吾の間にある愛に近いものを自分も見つけたい、と思いました。
(恋愛については焦る必要はないのだ、と自分に言い聞かせつつ)

これが「村上春樹」なの????
私は初めて村上春樹さんの本を読みました。

で、読み始めて一番に思ったのがタイトルの言葉です。

そうなんだとしたら、なんともクドイ。
やたら説明?が多くてなんだろう・・・ とにかくクドイ。

そしてどなたかも言われてましたけど
性描写がエグイ・・・・・・。

官能的な性描写ならまだしも・・・ ひたすらエグイ。。。

基本的に本って、一晩かもしくは二晩で読み上げる私も
この本にはかなりの時間、日数を費やしました。
そこまで先が気にならない。
でも、買ったからには読まなきゃもったいない(?)し・・・

そんな義務感から読みましたが・・・・

二度と村上さんの本を買うこと(読むこと)はないでしょう。

もちろん、Book2を購入することも

ナシ!! です。

「世界の終わり〜」を引き立てることに意義がある!
同じ長編で、そして二つの物語が交互に進行するという共通項を持つ「世界の終わり〜」の方が断然いい。
「1Q84」を読む暇があれば「世界の終わり〜」を読むことをお勧めする。「1Q84」は「世界の終わり〜」を引き立てるための本といっていい。

ちなみに「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」は秀作である。
「1Q84」と比較してもそのことがよくわかる。「1Q84」のことを高く評価している人はおそらく「世界の終わり〜」を読んだことがないのでしょうね。両者を読み比べると秀作と駄作の違いがよくわかると思います。


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1Q84 BOOK 2

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1Q84 BOOK 2 by 村上 春樹 価格: ¥ 1,890
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まだ終わらないよ
 我々はなにをもって「真の現実」とするか、その絶対的な根拠に窮する。
ニーチェは「かつて神はあったが、いまはいない」と言う。かつて神があった時代には現実と非現実、内在と超越の境界は極めて明瞭であった(あたかもそうかのように生きられている物語という意味合いにおいて)。
 作者は現実とそうでないものを峻別するために「二つの月」を召喚する。「二つの月」それ自体に深い意味はない。あくまで境界を引くための便宜として呼び出される。それによって青豆は自らが今まで生きていた世界が「実は現実」だったということを知る。しかし、これは・・・・いわゆる「並列する世界」の話ではないのだ。それがこの物語を複雑怪奇なものにしている。どうやら「すでにあった私たちが知るとこのあの世界はどこかで途絶えてしまった」らしい。青豆にとっては・・・という留保がついてのことだが・・・。これは由々しき事態である。コインの表と裏のように、ひっくり返されてしまったというべきか。望むと望まないにかかわらず。しかしコインはまた裏返せば良いのだ。しかしそれは青豆の望むところではない。彼女は自らの生命と引き換えに逆説的にこの「二つの月の世界」で生きることを選択する。少なくとも私にはそう見えた。彼女は死んではいない。
彼女にはまだ天吾を救うと同時に自分も生きようとする計算的理性が残っている。いや少なくともどんな形にせよ邂逅できる筈だと信じている。執拗な追っ手に捕まるまではいくらかの猶予がある。その間には色々な可能性や余地が残っている。それは彼女をもう一度強くする時間かもしれない。もし彼女の目論見が成功するならば、それはリーダーの不吉な予言が成就しないことを意味する。足元からシステムが瓦解していく。均衡が再び乱れる。それは新たな物語の始まりの徴だろうか・・・。

一気に読めました
色々なエッセンスが入っているので、感想もなかなかまとまりません。
オウムの事件とか、9.11とか、起きてしまったこととして認識していることが、あるふとしたきっかけで起こらなかったかもしれないし、別の形で何かが起こっていたかもしれない・・・そういう大きな転機を左右する物とはいったい何なのだろう・・・。というのがこの物語の問いかけで、読者に与えられたQuestionなんですよね。本の中に回答はありませんが。
続編が出るんですね。。。。これで完結でも十分だと思いますが・・

彼岸と此岸の描き方が産んだ長所と短所
春樹さんの本は20年来翻訳も含めてほぼ読了しました。
今回の新作、とても楽しみに手にした次第です。

さて、このBOOK 2。
こちらも、いい点・残念な点が混在しているように感じます。

いい点
彼岸側(教団)の姿が示されることでの「謎」の提示。

残念な点
彼岸と此岸を対比させるための描写が過多気味。

いい点と残念な点は表裏一体ですからこれだけでは本書を評価できません。

ただ、BOOK 2を読みつつ「なにか落ち着かない感」を感じていました。恐らくは…

『世界の終りと〜』の整理なされてない感(短所と感じられる方もいるでしょうが)
『ねじまき鳥〜』の歴史的事実に根ざした重厚感

それぞれがともにこのBOOK 2では十分に感じられないからでしょうか。

しかし、『ねじまき鳥〜』の時のことを考えると
恐らくはBOOK 3でとんでもなく読者の予想を裏切る展開があるはずです。
そこにとても期待していますし、楽しみにしています。

期待を膨らませて・・・
予約の情報を知り、是非読もうと思った。
マスコミでの取り上げ方も、期待を煽り上げた。
やがて書店での売り切れ報道、また、山積み展示。
ブームは確実に起こっていた。
いつか読もうと思い、その前に読んでおこうと、『海辺のカフカ』『ノルウェイの森』『ねじまきクロニクル』を読んだ。
やっと、ブームは静まり始めた。
満を持して『1Q84』を手に取り開いた。

私は1949年生まれ、村上春樹氏と同世代だ。1968〜72年、学園紛争の中を潜り抜けてきた。
「文学は現実からの逃避だ。」と激しく思っていた。
1984年は社会生活に踏み込んで、10年目。子供も二人儲けていた。
家庭生活に、目の前の仕事に、私自身逃避していた。
「文学は現実からの逃避だ。」とそれでもまだ思っていた。
『海辺のカフカ』『ノルウェイの森』『ねじまきクロニクル』を読んで、私は後悔した。
出会う時期が遅かったと、60歳という定年の年に出会ったからといって、この成果をもう還元できる機会はほとんどない。それらを読みながら、心を震わされながら、自分の少年期、青年期、壮年期を振り返ることができた。すばらしい時間を費やすことができたと思う。
「文学は現実への誘いだ。」と悔恨しつつ今そう思う。

「説明しなくてはわからないということは、説明してもわからないということだ」
この言葉を胸に刻んで、村上春樹氏の今後の作品にも期待したい。

1974
村上春樹には、このような殺し屋の女がでてくるような小説を期待していないので、面白いことは面白いし、この作家には珍しくハラハラするところもあったが、、、いたって普通・・・
『ダンス・ダンス・ダンス』みたいのが読みたい。心からそう思う。


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沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上) (新潮文庫)

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多くの悪と、わずかな光
山崎豊子氏による、実在航空会社をモチーフにした、限りなくノンフィクションに近いフィクション。
「アフリカ編」「御巣鷹山編」をバックボーンとした完結編。
本作は、国民航空の再建を担う新会長国見とそれをサポートする主人公恩地による、腐敗への戦いを描く。

大企業を蝕む腐敗の根は深く、国民航空OBをはじめ、政財界の黒幕たちにまでも翻弄される国見と恩地。
企業再建の基礎となる絶対安全の確立、組合統合への道のりは、遥か遠い。
はっきり言って、悪いやつが多すぎる。逆風が強すぎる。
しかしそんな中でも和光や志方のような、志を同じくする者達がいるのが救いである。
長かった本作も、終盤でわずかな光明が見えたような気がした。

10月には映画も公開される。
恩地役の渡辺謙は、ハマリ役かもしれない。
是非観て確かめたいと思う。

ちょっと毛色が違うような
よく3巻は毛色が違うとありますが、4巻も前3巻とも毛色が違うような気がします。
主人公はいったん影を潜め、脇役たちの横領や悪事の流れなどが説明されていて一種、告発本のような内容になっているような・・・
これはこれで、航空会社や業界の狡さ等が見えていいと思いますが
退屈な人には退屈な内容になっているのかもしれません。
けどこれを読むと全5巻を通して、筆者が訴えたいことの全容が見えてくるような気がします。
ただ、1,2巻は小説、3巻はドキュメンタリー、4巻は告発本みたいになっているように思えますので
本の性質がコロコロ変わっているように思えるので人によってはつらいのかも。
けど、だからこそ全巻通して言いたいことがあるように思えます。

国民不在の国民航空
会長室編では、御巣鷹山の墜落事故後、組織の建て直しを図るため
首相に請われて国民航空の会長に就任した国見正之を中心として
物語が展開する。恩地は新設された会長室の部長に抜擢される。

国見会長は建て直しの手始めとして分裂している組合の統合を目指す。
整備士や機長など各部門から会社の現状について意見を聞くのだが、
その中で、「自分達の理想像」を熱く語る者はいても、「お客様にとって
の理想像」を語る者はいない。

一例を挙げれば、ある機長が、「昨年ソウルで着陸復行をした際、乗り
合わせた大蔵大臣から機長のアナウンスが無かったと指摘された為、
オペレーション・マニュアルがアナウンスをするように改定された。
しかし、安全上、課業順位最下位とも言えるアナウンスを、神経を最も
使う着陸復行、最進入の途中で課すなど考えられない。このように我々
の立場にたって考えてくれない職制である」と憤る。

この機長は、自分達が乗せているのが荷物だとでも思っているのだろうか。
乗客の立場にたって考えてみれば、アナウンスも無く着陸復行をされたら
不安を感じるのは当然である。機長が忙しければパーサーがアナウンス
すれば良いだけの話ではないだろうか。

このように、この会社の社員はお客様の立場にたって考えるという意識
が欠落しているのである。まるで社会主義国の航空会社のようだ。
上層部の腐敗や癒着などより、社員のこのような考え方の方が利用者
としては怖い。まさに国民不在の国民航空である。

この航空会社を国民航空と名付けたのは、作者である山崎氏の痛烈な
皮肉なのではないだろうか。

著者会心の傑作!
企業の利益優先と人間性の欠如は現在も多くの人命を奪っている。
JR脱線事故、安曇野の観光バス事故、多くの長距離トラックの事故など上げたら数限りなく出てくると思う。
20年前に警鐘とも言える事故を経験しながら、この国はどうなって行くのかと不安になる。

刑罰的人事を描いた1―2巻での企業の腐敗、人道の欠如は520人を人柱にする大事故に発展した。
著者は見事な取材で、3巻にあの忘れてはならない未曾有の大事故を立体的に描ききり、当時報道されきれていなかった事実をも描いている。
この4巻では、うわべだけの謝罪をすませ、のうのうと私欲をむさぼる、役人的特殊法人と言う”お役所”と改革に立ち上がる人々の戦いが始まった。

この巻では個人的に組合活動をささえる家族たちに頭が下がり、事故現場に一周忌に集まった遺族たちの叫びに涙した。
人が良心を取り返し、金銭意外に人生の目標を持たなければ、事故の本当の解決は遠いのではと思う

この事件を知らない若い世代の方にも是非読んでいただきたい作品であり、その際”クライマ−ズハ-横山秀夫”も一緒にお読みいただけましたら、この事件の社会的影響がより理解できるはずです


こんなことが日本社会で行なわれていたとは・・・
ここまで日本社会が腐っているのかとまざまざみせつけられたことはない。
この話ははるか昔のことだが、いまだに同じようなことが行われていて、
特殊法人を民営化するのに断固として反対する族議員や、
公共事業の利権をむさぼる政治家・官僚・企業の実態をみるにつけ、
ほんと日本はどうしようもない腐敗に満ちた社会なのだということを、絶望的に思い知らされる。

ただ最後に社員の告発によって、その腐敗の一端が暴かれるものの、
それを突き詰めていくと、前総理大臣の金稼ぎにまで及んでしまうことを考えると、
捜査が進んだところで、いかようにも圧力をかけ、腐敗を闇に葬ってしまうことができることを考えると、
日本社会に正義はないのかとまたも絶望感を覚える。

この本を政治家・官僚・企業は読んで悔い改めるべきだと思う。


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ノンフィクションとして読むのは間違いだと思います。
他の方もレビューで書かれていますが、
筆者も言っているようにこの小説は新しいタイプの小説だと思います。
事実を基にしているが、ノンフィクションではないという。

主人公や国見会長が絶対的な正義として書かれていますが
このような清廉潔白な人間はまずいないので、
これを実在の人物と≒で結び付けてしまわないように注意が必要と思います。
(主人公に関しては、自分のエゴの為に家族をまったく省みないので清廉潔白とは言いがたいですが)

ただし、筆者がこのような描写をしたのは、おそらく国と天下り企業の癒着や
裏工作など社会の闇をわかりやすく表現したかったからではないかと思います。
読んでいて公務員体質という点では非常に納得できる部分が多かったです。

官公庁と仕事をする機会があるのでわかるのですが
民間では考えられないほどに非効率的に組織が運営されていますし
小説内で「親方日の丸」の国民航空経営陣の発想も「さもあらん」という感じで
大変納得が出来ました。

正直言うと、半公務員として運営されていた企業が
いわゆる民間企業になっただけで、公務員体質から抜け出せたとは思えませんし、
この本を読むとモデルとなった航空会社には怖くて乗れないと思います。

今まで何度か映画化の話が流れてきたのも理解できます。
反面、今年公開される映画の内容がどの程度小説に忠実に再現されているかで
航空会社や国がどの程度圧力をかけているのかわかりますし、
その内容如何では、どの程度「公務員」から脱却できてきたのか
ある意味バロメータになるのではないでしょうか。

いよいよ大団円(?)
これだけ大部な小説を読み切ってもさほどの「達成感」は無かったのが不思議。
それだけ楽しんで、一気に読んだからなんでしょうね。全編にわたってこれでもか
と描かれるJ○Lの腐敗しきった体質。本当に救いようがない。
取材の厚みが違うので半端でないのでそこがまた救いようの無さを増幅させている
わけですが。ラスト・・・ちょっとだけ救われた感じがします。
超一級品のビジネス・娯楽小説。

あまりの面白さに、5巻一気に読んでしまいました
事実に基づくフィクションとの名目。
一部、 実名も登場。臨場感、溢れる作品に仕上がっている。

主人公、恩地の生き様には、
壱サラリーマンとして、熱い勇気を与えられる。

全5巻と中篇作品ではあるが、
どうなってしまうのか、気にさせられる
秀逸なストーリーで、一気に読破をしてしまった。

映画化も決定。
一つ一つの場面が、
どのようにスクリーンへと映し出されるのか、非常に楽しみである。

国民航空は今日も飛ぶ
組合の元委員長、恩地元を主人公とする物語は、事実上アフリカ篇
で終わる。 御巣鷹山篇では悲惨な航空機墜落事故そのものが中心と
なり、会長室篇では新生国民航空に会長として就任した国見が主役と
なる。

この作品は、「取材した事実に基づき、小説的に再構築した作品である」
と作者自ら言っている。作品のモデルとなった人物が、御巣鷹山の墜落
事故に直接関わっていなかった等の批判もあるが、あくまでもこの作品は
小説であり、作者の創作であると判断したい。だって、こんな航空会社が
実際にあったら嫌だもんね。

ただ、御巣鷹山編では墜落事故の状況や、その後の補償交渉まで、非常
に生々しく綴られている。作者の緻密な取材が伺われるが、リアリティーが
豊かな分だけ、この作品がノンフィクションではないかと誤解されるのでは
ないだろうか。

会長室編のラストは、唐突に終わってしまった印象がある。
恩地や国見が聖人君子として描かれているのに対して、作品上の悪役
である行天四郎の方が妙に人間臭く、親しみをもてたりしてしまう。

魑魅魍魎にまみれた国民航空。しかし、国民航空は今日も飛ぶ。
国民の夢を乗せて。

会長編は...
沈まぬ太陽、御巣鷹山編までは面白かったのですが、会長編からはどうも恩地の迂闊さ無能さ融通の利かなさが感じられ、これじゃー行天達には到底勝てないだろうと納得してしまいました。
会長も当事者意識に欠けてるような印象を受けました。
大なり小なりサラリーマン社会ではこのような現象は有りますが、「正義の為に時には妥協してでも貫く」という強さも必要だと思います。


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Customer Reviews:
前半は読ませるけど・・・
映画が封切られるというので、読んでみた。

相手の素性をよく知らぬままに結婚した若妻の微妙な心の動き、夫婦とはいえどこかぎこちなさが残る二人の関係など、女主人公の気持ちが、ていねいに描写されていて好感が持てる。

しかし、いくつかの殺人事件に彼女が巻き込まれていくなかで、真相を解明しようとする彼女のアクティブな活動が目立つにつれ、最初の女主人公のあやういイメージが次第に消え、女探偵のように描かれているのは、いくら推理小説とはいえ、ちょっと違和感を覚える。

ラストシーンの描写は映像的だが、なんかうそ臭いという印象がぬぐえない(詳細はかけませんが)。

結論から言うと、人殺しの数をもっと減らして、女主人公以外の人生がもっとリアルに浮かび上がってくるような、サスペンス的味付けをした人生ドラマにしてほしかった。

余談ですが、昭和三十年代は、皆がタバコを吸い、ウィスキーがよく飲まれていたんだなあ
と、変なところに感心してしまった。それと、「プライバシー意識」が希薄だったことがわかる。当時は、警察や医師や新聞が、こんなに簡単に個人情報をもらしていたのだろうか。

その意味で、時代を感じた。







面白くなかった・・・
評価が良かったし、映画もおもしろそうだと思ったので本を買ったのですが、私個人的には全然感情移入できなかったです・・・妻の夫に対する気持ちと、実際の行動が矛盾しているように感じて、「へ???」でした。なので薄〜い気持ちで最後まで読んでしまいました。

清張の傑作中の傑作
映画化で注目を浴びていますが、清張の作品の中の最高の傑作の中のひとつだと思います。北陸金沢周辺を舞台に
情景が目に浮かぶような文章で本のなかに引き付けられます。学生時代富山で自宅が福岡ということで、松本清張
とは以前より親しみを感じます。暮らしたこと行ったことがある場所が本の中に出てくるとたまらなくなります。
他に点と線の香椎浜、砂の器の山陰亀嵩等々最高です。今度も学生時代に読んで懐かしくて再度読みました。
本当に懐かしく感動しました。

昭和の暗部を抉り出す、傑作
昭和30年代前半。
日本は復興と高度成長に向かっていた。

しかしながら、そこにはまだ戦争の傷跡が、深く人々の心の底に残っていた。

夫の失踪をたどる新妻のたびは、戦後日本が抱えていた一つの傷跡を現代に呼び覚ます結果になっている。

サスペンス、トラベル、現代ミステリ-のル−ツとなる作品の中にちりばめられた、避けることのできない日本の傷跡がたしかにこの作品の中に存在する。

砂の器へと続く清張作品の傑作。

昭和ブ-ムの現在、希望だけではすまない、影の昭和がここにある

“文学的”推理小説
松本清張にしては比較的短めの推理小説です。
発表から数十年を経た今となっては、数多の類似小説の影響もあり、ストーリー的にも、謎解き自体も正直目新しさはないです。おいおいと思わず言葉が出そうなくらい、いくつもの突っ込みどころも満載です。
ただし、文章の構成や、表現はとても素晴らしく、ぐいぐいと読ませる力があり、さすが松本清張と思わせる小説です。
特に東京と北国との対比や、北国の情景の描写は目を見張るものがあり、文学的な匂いがします。
全体を通じて暗いムードにもかかわらず、読後、川端康成の小説を読み終えたときのように、無性に旅行に行きたくなりました。


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   同じ松山で生まれ育った正岡子規と、日露戦争で活躍した秋山兄弟。子規は病と闘いながら俳諧の革新に挑み、秋山兄弟はそれぞれ日本の騎兵、海軍の技術向上に尽力した。当時最強とうたわれたロシアのコサック騎兵を打ち破るべく、ひたすら仕事に打ち込む兄好古と、文学の世界に未練を残しながらも海軍に入隊し、海軍戦術を研究し続けた弟真之。2人のまじめな努力の成果は、歴史が証明している。誰もが立身出世を目指した時代に、彼らがどうやって自分の人生の意義を見出したのか。そんな視点から読んでみるのもおもしろい。

   司馬遼太郎の大河小説の中でも、本書は特に評価が高く、ビジネスパーソンをはじめ、多くの人々に読まれている。改革の時代にこそひも解きたい、そんな1冊である。(土井英司)


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司馬作品は読みやすい
 司馬遼太郎の小説は、歴史小説であるにもかかわらず、終始、いま現在とリンクしている。例えば山崎の合戦の箇所を説明する段になると、「新幹線から見える大山崎辺りのサントリーの工場・・・・・」って感じで、今を生きる日本人の股間を刺激する文章で、これがまた心地よい。だから、よく読まれ、人気があるのだろうか。歴史小説であるのに、歴史の順番に書き連ねていくって言うふうではなく、思いつくまま、寄り道しつつ主街道を歩んでゆく。

 というわけで、国民小説にまでなってしまったこの「坂の上の雲」、第一巻の最初の章は、秋山信三郎好古の幼少の頃から騎兵に志願するまでが一気に進行する。次の章では、弟の真之。ここも、スピード感一杯で、生い立ちを述べたかと思いきや、いきなり日本海海戦幕開けの有名なキャッチ・コピー「天気晴朗ナレド浪高シ」は、この真之が起草したものであるということが、第一巻の三分の一もいかないところではやくも紹介されている。こうなると、このエピソードは、ここで、忘れないところで、書いておこうという感じで書いているようである。

 もう一人の主人公、正岡子規の紹介も手抜きがない。明治の偉大なジャーナリスト、陸羯南の必要最小限の紹介文も早くも現れてきて、これまた読者にはうれしい。
 司馬遼太郎は登場人物の個性を書き分けるのが、頗る達者なので、またしつこい位にその出てきた個性を根掘り葉掘り書き連ねるので、顔と名前が一気に一致する。だからたとえ脇役であっても、そう簡単には、登場人物の名前を忘れない。司馬の作品は読んでいて、個性が浮かび上がる・風貌が目の前に立ち上がる・ビジュアルであるという特徴がある。だから大河ドラマに何度も取り上げられるのだろう。

見事な『歴史』の小説化
舞台は明治維新後30年目くらいの日露戦争の頃の日本、主役は全編を通して陸海軍でそれぞれ司令官、参謀として活躍した秋山好古、秋山真之兄弟。正岡子規が同郷(伊予)の友人として歴史の傍観者になる。有名な秋山兄弟の伝記というよりは、明治の日本人のメンタリティや価値観、ロシアの侵略に対抗するために国民が一丸となって、それこそ死ぬ気で戦った当時の世相が等身大で書かれているのが人気の要因だろうと思った。 特に、戦争に徴用された一般の若者が命を賭して日本を守るために相当勇敢に戦ったようで、まさに世界にデビューしたばかりの弱小国が国民一丸となって戦ったような世情がリアルに伝わった。

明治の世相観以外にも、戦記ものとしても充実している。東郷平八郎、乃木希典の2大英雄にも当然フォーカスが当たるが(秋山真之は東郷の参謀)、敗戦までは国民的英雄で神として祀られた乃木将軍を無能だったと描写されるが、これには歴史家の間では今でも賛否両論。ただ、一小説としては英雄無能説は興味深く読めた。そもそも、日露戦争では陸戦ではほとんどが負け戦で、壊滅寸前に海軍の勝利で戦争が終結したとの物語になっていた。その象徴が乃木将軍無能論に著されているようだ。

後半は戦記もの的比重がかなり重いが、前半の明治の青春群像ともいえる秋山兄弟と正岡子規の物語は普通に面白い。戦争ものが嫌いな方にも前半はお勧めする。

知らない日本の近代
「戦争」といえば、祖父母の話やテレビ、本で見るのは主に「第二次世界大戦」「太平洋戦争」です。その当時の日本の動きに少し興味を持ってみていくと、司令官の無謀さ、先読みの全く無い国の舵取り、傲慢さ(虚勢)などが目につき、「何でこんな人たちが国を引っ張っていたのか」と嫌な気持ちになりました。
60年前の戦争時代に戦場で戦って死んでいった人たちの死の大義は「皇国日本のため」でした。ですがそれも、空虚なもので同調はできませんでした。

「坂の上の雲」は、NHKがかなり気合を入れて映像化するというので、興味を持って読み始めました。8巻、長いですがあっという間に面白く読みました。
あの昭和の戦争の時代と、明治のつながりが分かりました。
どうして昭和のあの時に日本はあんなにおかしくなっていたのかというのが分かりました。
同時に、日露戦争で戦う人たちがとても魅力的に思えました。のちの、日中戦争〜太平洋戦争時代の、傲慢で偏狭な軍人に通じるような登場人物もいますが、戦う人たちは「国を守らねばならない」という、本当に切実な思いでロシアに立ち向かっていました。むやみに神格化されてしまった国のために死ぬのではなく、日々の生活がある場所を守るために何をしてでも立ち向かわなければならない必死の姿がとても良かったです。

日本最後の古武士達
もうずいぶん前ですが、学生時代に司馬遼太郎さんの作品をいろいろ読みました。
その中でも「竜馬が行く」と「坂の上の雲」は、今も読み返す本です。

「竜馬が行く」を読んだ後は、激動の時代を生きた「坂本竜馬」に感銘し、
ひとりの男性としてホレマシタ。ドラマチックな展開の中で暴れまわる破天荒な自由人にあこがれ、
学生時代のストレスを発散させていたのかもしれません。

一方で、この「坂の上の雲」の登場人物も魅力的なのですが、
ホレルという言葉とは少し違う感情を持ちます。
むしろ、日本最後の古武士達の魂に尊敬の念を抱く、といった感情でしょうか。

明治時代とは違いますが、混迷する今の時代に、こんな男タチがいればと思います。
そして、このようなスケールの大きい人物を輩出できる日本であって欲しいとも。

再読して、失われつつある日本の誇りを取り戻す術を模索しつづけたいと、あらためて感じました。
不朽の名作です。

最後に分かる本当の意味
この作品は長い。読むのに苦労する部分も有る。しかし、この作品の中の人々は生きている。私たちに何かを語りかけてくるのだ。これこそ司馬さんの手法の成せる技なのだろう。物語を一時中断してでも、登場人物の人生を描写する。そうすると、その人物に厚みが出て、更に物語に引き込まれて行くのだ。
明治日本は、歴史的に見たら、批判的な意見が出る部分も有るだろう。しかし私たちが、明治人の生き方を否定することは許されない。なぜなら現代人の多くが、彼らより懸命に生きているとは思えないからだ。
文庫版の最終巻に収録されている「あとがき」を読んだとき、読者はこの物語の本当の意味を知る。
何て素晴らしい物語を司馬さんは残してくださったのだろう。
もう少し早く読んでいたら、私の生き方も今よりは良くなっていたのかもしれない。
大袈裟かもしれないが、本当にそう思えるのだ。


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日本初の対外戦争(日清戦争)から
 第一巻では秋山兄弟、正岡子規の葛藤や情熱が描きながら、それを中心に「明治日本」をいうものを表現していた。
 第二巻では日清戦争、米西戦争などが起こり、それらの経緯を描きつつロシアを中心とした世界情勢が書かれている。

 この間で印象に残るのは、十九世紀末の帝国主義。
 二十一世紀の今考えると、「なんて馬鹿な考えだ」と思ってしまうが、この時代があったから今の時代があると考えるべきなのだと思う。

 三巻で、世界情勢はどのようになるのだろうか?
 日露戦争にはどのようにして突入していくのだろうか?
 次巻も目が離せない。

日清戦争を契機に俄然注目される日本
 意外な勝利となった日清戦争であるが、この勝利により、日本国民は国家という存在を体感し、諸外国から注目されると同時に、ロシアの壁にぶち当たった。
 日清戦争の勝利は、日露戦争へのスタート地点に過ぎなかったのである。

正岡子規のすごみ
日清戦争前後のお話。

こういう時代にあって、秋山真之は留学を重ね軍人として着実に成長しています。
一方、学生時代には移り気で何をやっても物にならない正岡子規ですが、
俳句というものに出会い、文人として一気に大成しました。
特に死を意識してからの彼の行動は鬼気迫るものが感じられます。

人間、熱中できるものを見つけた時の力を思い知った気がしました。

時代のうねりが伝わってきます。
日清戦争以降の時代の大きなうねりの中で、秋山好古、真之、正岡子規がそれぞれの境遇、立場の中で、感じ、行動する様の対比がおもしろい。
滅び行く清や、日本の前に立ちはだかろうとするロシア、そしてそのような状況の中で日本はどこへ行こうとしているのか、時代背景が手に取るように伝ってくる。

子規の実像と明治人気質
この巻では主に、闘病しながら文筆活動を続ける正岡子規と、軍人として活躍を始める秋山真之を中心に描かれています。
正岡子規に関して小学校の教科書レベルでしか知らなかったので、過去の俳句や短歌を検証し、新たな作風を作り上げていった彼の功績を初めて知りました。それにもまして結核を患いながらも壮絶なまでに創作活動を行う彼の執念に胸を打たれます。
一方、秋山真之という人物の資質は、欧米に追いつき追い越そうとする明治日本になくてはならないもののように感じます。「飛ぶが如く」で描かれた大久保利通もそうでしたが、この時代には物事に強烈なこだわりをもった人物が必要だったのでしょう。
なお、この巻の最後の章は、ロシアに関する記述になっていますが、欧米でもなくアジアでもないロシアという国の性格が見事に表現されていて、大変ためになります。先に「菜の花の沖」を読んでおけば更に楽しめると思います。


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奇想庵: 『最高の! 2010 完全保存版―Book of The Year』
この著者は『永遠の仔』を読んだことがある。 8位野中広務・辛淑玉『差別と日本人』。いつも閲覧するブログでこのの感想を読んだ。 9位池谷裕二『単純な脳、複雑な「私」』は脳科学の。初めて知った。 10位橋本治『巡礼』。 ... 評論は笠井潔『例外社会』 。 興味があったのは、”最高の”ランキング、国内ミステリベスト10、女子読み恋愛小説あたりだが、担当編集者が思わず読みたくなったベスト10の1位に輝いた宮下奈都『よろこびの歌』も関心を持った一作。素敵なと幸福な出会いが訪れますように。 ...
http://kiten.blog.ocn.ne.jp/kisouan/2009/11/2010_book_of_th.html

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No.7238492 埴谷雄高政治論集 埴谷雄高評論選書 1 〈講談社文芸文庫 はJ4〉. 埴谷雄高/講談社/2009発行/\950. カバー付 若干のススケ、カバー縁に僅かにキズ有。中古観。線引などなし。(1冊 商品No.B260996) ...
http://www.newgenji.co.jp/cgi-bin/sieta.pl?CID=1&sm=p&af=on&ak=%8F%FB%92J%97Y%8D%82&df=on&dm=d2&y2k=2009&m2k=11&d2k=9&y3k=2009&m3k=11&d3k=9&of=1

オバマの中国訪問の政治的意味について。 - 文藝評論家=山崎行太郎の ...
「三田文学」に発表した『小林秀雄とベルグソン』でデビューし、 先輩批評家の江藤淳や柄谷行人に認められ、文壇や論壇へ進出。大西巨人との論争や、小泉・竹中批判、安倍批判、「青色発光ダイオード」の中村教授批判を展開。最近は「沖縄集団自決裁判」 .... ネットでを買うなら↓↓↓ Amazonで… プロフィール. dokuhebiniki. 文藝評論家or哲学者。 慶大大学院(哲学専攻)修了。著書・論文→『小林秀雄とベルグソン』『佐藤春夫と大逆事件』『柄谷行人論』『保守論壇の「沖縄集団自決裁判」騒動に異議あり!』。 ...
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20091119/1258586244

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No.7222137 目 ある芸術断想. 三島由紀夫//昭40発行/\4000. 初版 状態良好 帯の背は『三島由紀夫評論集』 奥付の住所は一ツ橋2-5-10 菊判 函帯付. 山星書店. No.7220954 薔薇刑 新輯版. 細江英公写真 横尾忠則装幀 三島由紀夫//昭46発行/\150000. 帙函に経年変化の茶点有り 大型 輸送箱付 帙函付 内容見本付. 山星書店. No.7220741 三島由紀夫文学論集. 三島由紀夫//昭45発行/\700. 重版 四六判 函付 カバー付 ...
http://www.newgenji.co.jp/cgi-bin/sieta.pl?CID=1&sm=p&af=on&ak=%8EO%93%87%97R%8BI%95v&df=on&dm=d2&y2k=2009&m2k=11&d2k=4&y3k=2009&m3k=11&d3k=4&of=1

メディアマーカー - bbinder wishlist / の雑誌 2009年12月 担々麺 ...
ビンゴ本郷文学賞記者日記マクシタテアン・オビスピエールのオビミシュラン M・オビスピエール坪内祐三の読書日記 お願い、日活や大映、松竹は待ってて、でも新東宝のは定期購読したい気がする 坪内祐三ミーツへの道/だんじりとタイガース 江 弘毅自在 ...
http://mediamarker.net/u/boxeur/?asin=486011180X

FRENCH BLOOM NET-main blog: 電子ブックと書籍の未来(3)
その関係を通して著者はモニュメンタルな姿を獲得し、読み手はその崇拝者になる。 しかし電子テクノロジーはテキストの章や段落をひとつひとつ別のものにする。印刷物のように有機的でひとつの方向に展開する全体を持たず、それぞれが完結した単位のつながり なる。電子テキストは断片的だが、 ... 文学者や批評家は「こういう読み方は面白いぞ」と介入していくようなプラットフォームをネット上に作るといいのかもしれない。お高くとまっていても誰も寄ってこないし、お高くとまる根拠なんてもうないのだから。 ...
http://frenchbloom.seesaa.net/article/132890882.html

TK,それは読み違えてないかい?(小室哲哉「罪と音楽」幻冬舎刊 ...
文学だのロックだのヒップホップだのの観過ぎなの!」 kenzee「オレの場合、荷物も結構多いからなあ。この大量のと雑誌とCDの山はどうすればいいのでしょうか」. 司会者「ゴミの日にだせよ! ガキの好きそうなモンばっかり! イイ歳してイイカゲン目ェ ...
http://bungeishi.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-853a.html

濱野智史『アーキテクチャの生態系』 - 関心空間
このは、インターネットの現状や本質を理解する上で非常に良質な一冊だと感じた。それぞれの洞察や分析が的確でしかも示唆に富んでいる。そして特に美点だと思ったのは、この手のにありがちな最先端の技術や事例(しかし最先端である分だけ、広く普及し ... 少なくとも、ここで提示されたニコニコ動画に対する見方(同期でも非同期でもないメディアのあり方、それを著者は「擬似同期」「仮想時間」「バーチャルお茶の間」などと呼ぶ)は新鮮だったし、日本のインターネットはまた例によって(ケータイでよく ...
http://www.kanshin.com/diary/1656871
文学・評論
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