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懐かしくて、新しいとはこのこと。1995年から1997年にかけて『たまごっち』や『小室ファミリー』などと並んで社会現象的な大ブームを呼んだアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』。本作が10年ぶりに劇場版アニメとしてリビルドされた。リビルドとは、原画などの素材をデジタル化して、作品として再構築すること。CGで描かれたメカの圧倒的なディティール、物量、デジタル撮影のテクノロジー(技術)。手描きのキャラクターと美術のテクニック(技術)。技術×技術=おそらく2007~8年最高峰のクオリティになっている。四部作の第一作目となるストーリーはテレビシリーズの第8話までがベース。14歳の少年シンジがいきなり人造人間エヴァンゲリオンに乗るハメになり、傷つき、苦しむ姿が描かれる。これがまた、グッとくるのだ。セクシーな萌えシンジは今回の『ヱヴァ』の見どころのひとつ。後半の第6の使徒との戦いは、完全新作。日本中の電気を一点集中して、第6の使徒を撃ち抜く緊張感とシンジの葛藤は手に汗握るはず。パチンコでしか『エヴァ』を知らない人にも、見ていただきたい、掛け値なしの傑作。続編も楽しみ。(志田英邦)
個人的にはイマイチなデキだった ![]()
言わずと知れたリビルド版エヴァンゲリオン。
テレビ版で衝撃を受けて以来、かなり感化されたのは事実だし、
それが今また綺麗に新しくなって映画化されたとなれば
嫌でも期待する。そして世間でも概ね好評だった。
が、しかし、個人的にはイマイチなデキだった。
画像に関しては確かに格段に美しくなり、
要所要所にCGを活かした滑らかな挙動も見られる。
だが話のテンポや演出としては
テレビ版の方が数段上に感じるのだ。
こればかりはテレビ版の完成度が素晴らしすぎたとも言えるが
たとえばヤシマ作戦などは短いカットと説明で
何をどうしようとしてるのか短時間で理解でき、
速やかに作戦決行まで進んで行ったが
今作では割ともたつく上に、
初見の人には作戦内容自体がややわかりづらい。
使徒と撃ち合う部分も両者が撃った光線が
中央でぐにゃりと干渉し合い、互いに外れたのち
すぐに次弾の装填と準備、
それよりも早い敵の再攻撃をすかさず零号機が防ぐなど、
息を呑むテンポが最高だったのだが、
今回は「弾が外れた」というより「効果がない」という演出で
テレビ版よりもイマイチ燃えない流れになった。
零号機の盾もただの強力な盾となっており、
スペースシャトルの底部から急遽作ったというユーモアと
リアリティが逆になくなってしまった。
同様に、戦略自衛隊技術研究所から陽電子砲を徴発する際に
天井をエヴァで剥ぎ取ってしまうという画的な面白さも存在しない。
このあたり、シリアスな中にも独創的なユーモアがあっただけに
削られてしまったのは非常に惜しい。
トウジにまつわるエピソードもやや省略されており、
エヴァのパイロットだということが
クラスメイトにバレる場面がそっくり省かれているために
唐突にトウジがシンジを殴りつけるという、
意味の伝わりにくいものになった。
また、エヴァのコクピットに入り込んだ際のシンジの必死さを受けて
一発分のゲンコツを返してもらう場面も存在はしているものの、
テレビ版のような、トウジの人間性が感じられにくくなっている。
評判に聞く、使途ラミエルの変形に関しても個人的には反対派で
攻撃する瞬間に変形する時間があるため、
「近くに行くと一瞬で反撃される」というテレビ版で感じた
圧倒的な恐怖感と迫力がやや軽減されたように感じる。
倒した瞬間を含めて映像的には美しいが、
火を噴いて墜落していく姿の方が
闘いの余韻としてはよかったのではないか。
全体的に、時間的な制約の少ない映画化によって
1話30分のテレビ版のテンポが崩れたように思う。
息もつかせぬまま一気にクライマックスまで持っていくノリが
私がエヴァに感じる価値だったのだ。
時間を気にせず作れるのはある意味ではいいのだろうが、
テレビ版のギリギリまで無駄を削って洗練された完成度は
それだけでひとつのスピード感につながっていた。
完結までの全作を観てみないことには判断できないが、
現時点では個人的に期待外れな作品になってしまった。残念。
兵器大好きっ子 ![]()
数年前に流行った『新世紀エヴァンゲリオン』のリメイク的内容。
本作は、旧作の総集編のような内容なので、
初めての方も、久々の方も安心。
戦車、戦闘機、爆撃機、大砲のドンパチ加減が凄まじく、
それ以外のシーンでも1カット1カットの構図、グラデーションが美しい。
音声やBGM無しで流しても、十分楽しめます。
単体で見る価値は希薄 ![]()
説明不要、日本アニメの金字塔にして大本命。
初体験の方もいるでしょうが、詳細はググりましょう。
クライマックスの連続、という手垢のついた構成を無邪気に体現している。
過去の全盛期には、その独特のインパクトある表現手法等がある種エポック・メイキングだったが、
エヴァの影響も一周半くらいした現在では、同じ方法論の延長では粗の方ばかりが目立ってしまう。
特にストーリー的に過去作と変化の少ない本作は、映像的インパクトだけで新鮮さはまず感じられない。
加えて、この総集編的構成は切り貼りの安易さばかりが感じられ、場所によっては改悪とすら感じられた。
ひどく余裕のない作品、というのが正直な印象だ。
「間」や「タメ(溜め)」という、情感を活かす要素が極度に乏しい。
おかげでせっかくの決め台詞も、情けないほどさらっと通り過ぎてしまい、
本作の流れだけから見れば、上っ面な軽薄さしか伝わらずなんとも肩すかしだ。
四部作の第一作目、既存の完結したストーリーの改変と再構築。
そういった、単体作品としての負の要素を大目に見たとしても、本作はとても絶賛には値せず、
さらにいえば他のアニメ作品との際立った差別化もしがたい、ただの同窓会的凡作になってしまっている。
ボクの目には、表面だけを綺麗に化粧した、劣化的自己複製として映った。
過去作を知る者にとっては、ストーリー上のズレは次作以降にこそ大きく現れてくるため、
本作の役割は挨拶代りの単なる導入程度のものとなり、単体での評価はあまり意味がない。
過去作を知らない者にとっては、過去作を見なければ味わいきれない作品という意味で、
やはり本作単体で見る価値は希薄と言えるのではないか。
もし本作がボクのエヴァ初体験だったなら、情感表現のあまりの下手さに白けるばかりで、
おそらくあまり興味を抱かなかったろうと思う。
(過去作も情感表現は上手くはなかったが、それらを補って余りある新鮮さがあった。)
『破』が過去作同様、凶暴に興奮を揺り起してくれるだけに、『序』のこの出来はなんとも残念だ。
だが、それでも星四つ分くらいのクオリティはある。
他の雑多なアニメ作品の中に埋もれてしまうレベルだと思うが、見て損をするレベルではない。
過去の一連の作を未見の方ならば、先にそちらを一通り見た方が絶対に良い。
次作での大化けも、過去作を知っていれば四割り増しくらいで楽しめますよ。
ズブの素人の素朴な意見 ![]()
先日TVでやっていたのを見たのが初エヴァのズブの素人です。その時の「戦闘シーン」に心当たりがあったので、DVDを借りて再見しました。
すぐに理解できたのは「ウルトラセブン」等からの借用です。例えば使徒シャムシェルは「消された時間」のヴィラ星人そのもの(背景の神社の鳥居まで同じ)、ラミエルは帰マンのプリズ魔だそうですが、その声(効果音)の元祖はセブンの「零下140度の対決」でポール星人が登場する時に流れる声楽ポリフォニーで、聖と邪の対比のまがまがしさを上手く利用しています。エヴァ初号機がラミエルを陽電子砲で手動狙撃するところは、「セブン暗殺計画」でウルトラ警備隊がセブンのビームランプを狙撃したシーンの借用ですよね?
使徒はTV版と形体が異なっているとのことなので、今回敢えてウルトラ的にしてウルトラ世代にアピールしようとしたのなら、同世代には嬉しい限りです。
なおシンジとミサト、レイを中心とするヒューマンドラマですが、TV版その他の知識がない者にとっては、「これだけでは」ピンと来ません。よくある愛の少ない子の葛藤が表面的に描かれている感じです。やはりドラマを描くにはジブリ並みにそれに時間を割く必要があるのでは?ただこの尺の戦闘物には無理があると思います。
また「サービス、サービスゥ」はいいのですが、残念ながら女キャラへの萌えもありませんでした。これも「サービスゥ」抜きで描き込めば違った印象を持ったのかもしれませんが。宗教学や心理学、哲学関係も尺の関係で「味付け」にしか受け取れませんでした。
ですが、戦闘シーンは素晴らしい。今後もエヴァのスタッフにはウルトラの名場面を最新のデジタル技術でバージョン・アップして存分に借用してほしいですね。これが評価されることによって、ウルトラの偉大さも再評価されるわけですから。